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●特別展「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」 展

:大阪市立東洋陶磁美術館
:2016/12/10 ~ 2017/03/26

http://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=366


一つ得るということは 一つ失うということ
だとすれば、当然

美術館に足を運ぶのも コストやリスクを勘案して、
(例えば 列に数時間も並んでまで 見るべきものなのか)
自分の中で 折り合いをつけて、訪問している はずですが、

本展には 多少のコストを払い リスクを犯してでも、行く べきかも知れません。

なんたって ポスターのコピーにあるように

「人類史上最高のやきもの 海外初公開、初来日。」
「もう、二度と出会えないかもしれない。たった6点、世紀の展覧会。」
「神品降臨」

なのですから。

しかも、実際のところ、
前評判どおり 予想されたとおり 人気展には違いないのですが、
(アホほど混み合ってはいない)
ちょうど良い 賑わいぶり で、

後述の 「特集展」・「常設展」も一緒に見れることを思えば、
入館料1200円は、コストやリスクに見合わぬ お得さ だと言えます。


さて、
本展の何がスゴいのかは、公式サイトにも 解りやすい解説がありますし、
すでにご覧になった 陶磁マニアの方々のブログ等も あるでしょうから、
そちらに譲る としまして、

私が感嘆した 本展のスゴさ を簡単に……


1.「青磁無紋水仙盆」の無文ぶり がスゴい

2.東洋陶磁美術館 蔵の「水仙盆」の正面に 「飛び」が1つだけ入っている のがスゴい

3.同じ形の「青磁水仙盆」の「汝窯 5点」と「景徳鎮官窯 1点」と「日本の現代作 2点」が比較できる のがスゴい

4.水仙盆の「付属品」も スゴい

5.乾隆帝の「思い」が スゴい そもそも皇帝の権力 がスゴい

6.東洋陶磁美術館と 國立故宮博物院の 交流ぶり がスゴい

7.特集展 「宋磁の美」との連動ぶり がスゴい

8.この度 新発見され 国内3点目の「汝窯青磁」と確認された 「青磁盞」 がスゴい

9.あまり同時には陳列されない 同館蔵の
  「国宝 油滴天目茶碗」・「国宝 飛青磁花生」・「重文 青磁鳳凰耳花生」・「重文 木葉天目茶碗」
  の4つの茶道具が 一度に見れる のがスゴい


解説にもあるように、
皇帝の「猫の餌入れ」とも蔑称された「水仙盆」の本来の用途は、
「筆洗」であるとか 「不明」だとか 書かれるけれど、

水仙には 青磁が 本当によく似合う。

それも、
(茶道具としては「砧青磁」や「七官青磁」や「天龍寺青磁」といった分類がされるけど)
このような「天青色」が よく似あう。
(七官や天龍寺では… …)

夜咄などで使われる 「石菖鉢」などは
逆に 砧青磁では 美女と野獣 である。

この形といい、「猫の餌入れ」以外では 水仙専用の器 が、「水仙盆」の有り様では ないだろうか???

中国の歴史が何千年か 詳しくは知らないが、
ある一つの花 専用の容れ物 があるなんて
これぞ 「文明」 では ないだろうか。

一つの文明の成り立ち の下には 何千何万もの犠牲が 隠れている ものだけれど…

何千何万もの 人々の思いや力が 成し遂げた 落ち度なく完成された「美」…


写真:「青磁水仙盆」 島田幸一 (撮影可能コーナーより)


*

幼い頃から 何百展 行っているか判らないが、
今回 人生で始めて「音声ガイダンス」というものを 借りてみた。
(思えば 貸し出す側には たっていた時期があったのだけれど…)

こういうキャプションも読めぬほど 混雑している展覧会には
なかなか 便利なものだと あらためて知った。

学芸員さんたちが 苦心して設定した展示順に 素直に従わず、
空いている展示を ヒットアンドアウェイ式に 狙い撃ちして
後で頭の中で 展示順に組み立て直して するには
歩きながらでも聞ける「音声ガイダンス」には、文字にはない長所があるものだ とあらためて知って
勉強になった。


●「茶碗の中の宇宙 -樂家一子相伝の芸術‐」 展

:京都国立近代美術館
:2016/12/17 ~ 2017/02/12

:東京国立近代美術館
:2017/03/14 ~ 2017/05/21

http://raku2016-17.jp/


去年の大晦日に流行った 言い方でいうと
「空前絶後のォォ 超絶怒涛のォォ」

ご当代 樂吉左衞門さんの 言うところの
「私が生きている間に 二度とこれほどの規模の展覧会は開催できない」

大展覧会 です。


京都の大雪を心配しつつも、うまく時間がつくれたので 昨日行って参りました。

(ブログで展覧会のことを書く際は、「感想」だけでなく 一応 「紹介」という側面も意識しますが)

京都会場が 間もなく閉催されようとする今 記事にすることに

毎度のことながら 少し後ろめたさに似た気持ちを 抱えながら…。

 
さて、

上記 空前絶後の超絶怒涛の 二度と開催が望めない

龍やら麒麟やら一角獣やら鵺やら鳳凰やら… が一同に集った 珍しい展覧会ですが、

究極的には、見どころは 「長次郎 と 吉左衞門 と 惣吉」 に尽きるのでは ないでしょうか?


(京都会場に関していうと、所蔵作品である「コレクション展」とうまくリンクされており、
 標題の《宇宙》というのも 見どころの一つでは ありました。)


もちろん 「樂家一子相伝の芸術」と副題されているように

歴代の作品が全て並んでいる ことや、本阿弥光悦の一級作が並んでいる ことや、

あの 春屋宗園・長谷川等伯の「千利休像」までもに お出まし頂いていること

等々も、空前絶後の 理由の一つではありましょうが。


やはりスゴいのは 「長次郎」と「当代 吉左衞門」の作品群、

そして惣吉… (「次期16代」と わざわざハッキリ肩書きされた)篤人さんの作品

です。


まず、長次郎に関していうと、

子供の頃に目にした ウルトラマンのめったに現れない兄弟が ずらり勢揃いした

希少な 数の迫力 がありました。

ずらり並んだ 著名なそれらの1点1点が、スーパースター独特の「力」を 放ちまくっている

のですから、圧巻 の一言です。

(東京会場は どうなのか 判りませんが)

展示方法も ふだん樂美術館1Fでされているより やや低く 置かれ、

茶溜まりまで 詳しく覗き込める器躰が多かったのも 素晴らしかったです。

(贅沢を二点言うと、1.重要文化財クラスの碗は、「大黒」のように 1碗1碗ケースに入れて、全方向から見たかった…
 2.黒楽と一列に並んだ 赤楽「白鷺」・「太郎坊」は、細部がはっきり見えるライティングで「も」、見たかった…)


つぎに、ご当代に関していうと、

なかなか 佐川美術館は時間的に行きづらい場所にあるので、これだけ纏まって見られるのが、まず嬉しいです。

この展のテーマが 「一子相伝」ということもあり、

またご当代の作は 詩的で観念的で、ご自身が「葛藤」という言葉を使っておられる通り

他の歴代の作以上に 編年的に鑑賞・対峙するのが 望ましい…と私は思うのですが、

(作年がキャプションされてはいますが) 展示順は 意図してそうはなっていないので

鑑賞者の頭の中で それらを並び替え、いわば 「葛藤」を擬似的に共有して 見る

のが面白いと思います。

フランスで焼かれた作品群も、この展の見どころの一つでしょう。


最後に、「次期16代」篤人さんに関していうと、

私は 長次郎・当代 吉左衛門・光悦・のんこう・宗入に次いで 覚入が好きなのですが、

覚入から当代に「一子相伝」された 樂焼の核のような美しさを、その作品に ひしひしと感じます。

正直 すでに好きです。

次期16代が これから どう「葛藤」されていくのか? 実に楽しみで仕方ありません。


こんなことを書くと 不敬だなんだとネットで話題になる 政情ですが、

天皇陛下もまさに同様かと 推察する次第ですが、

いわば 負わされた逃げられない宿命から どれだけヒトは自由になれるのか?

大切な そして あまりにも重いタスキを どういった形で次のランナーに繋げていくのか?

それが この展の 最大にして唯一の 見どころだと感じた次第です。

(京都会場では リンクする「コレクション展」で、樂茶碗のもつ「宇宙」性が よく表されていましたが、
 そんな会場においても、一画では、
 長次郎と当代の2碗を対峙させ その間の空間を 高谷史郎さんのビデオインスタレーションで繋ぐ
 という 「長次郎 VS 当代」 あるいは 「樂家の一子相伝の駅伝」 が垣間見えました。)


いつも展覧会のブログでは、自分の好きな作品と オススメの作品を書いていますが、

今回の 自分の好きな作品:展覧会 じたいに拍手

今回の オススメ:(黒樂「大黒」のような)「個人蔵」の作品群

ということにします。

当代が「二度とこれほどの規模の展覧会は…」とおっしゃるのは 大袈裟ではないでしょう。

「個人蔵」のものは 特に必見です。

京都展と東京展では 一部の内容が異なってなり、また 展示替え期間もあるようですが、

個人的には 赤樂「鵺」が見れなかった ことが残念…。

でもまぁ 龍やら麒麟やら一角獣やら鳳凰やらが 一同に会しているシーンを見れただけでも

良しとするか。


写真:同 コレクション展より (どちらも「好き」なもの そして「宇宙」を感じたもの)

(左):野村仁 「真空からの発生」
(右):アンニッキ・ホヴィサーリ 「方壺」





妻と子と永らく前から約束していたので、体調がかなり芳しくなかったのですが、先日「しまなみ海道」に行って来ました。

サイクリングはとても出来る状態でなかったので、この機会を利用して、この機会を逃すと行き辛い、耕三寺博物館に私だけ行ってみました。



●耕三寺博物館

:「茶道美術展 踏青 -春の道具-」展
:「第69回 館蔵品展 耕三寺博物館の名品」展

http://www.kousanji.or.jp/museum_pickup/


こちらのお寺は、とにかく 成り立ちや諸堂建築が ユニークです。

詳しくは、上記 公式ページやウィキペディア等を ご参照頂きたい所ですが、

中国・四国地方の 茶道具を所蔵するミュージアムで、なかなか訪問が叶わなかった館であります。

(なにぶん 瀬戸内海の真ん中にある島に建っていますので…)

ひところ 毎月 西日本の各都市を出張していた時代がありましたが、海道の途中にある島に 降り立つことは遂にありませんでしたから。


さて、お寺は それ自体が博物館になっていて、境内の各堂塔に それぞれ違う特集の展示がなされています。

茶道具で申しますと、開山住職である 耕三寺耕三が 藪内流を修めたとのことで、

藪内竹陰 共筒茶杓 「腰みの」 や 藪内竹翠 共筒茶杓 「釣竿」 が在りました。

(耕三じしんは重工業で財をなした方ですが、やはり 島ということで 漁夫のイメージでしょうか)

高麗茶碗 など 寂びた道具に素敵な物が多かったのですが、1点挙げるとしたら、やはり 上記ポスターの

「染付 雲牡丹水指」です。

ただ、質量ともに、重文・重美クラスが てんこ盛りの「仏教美術」に較べると、茶道具の展示は少し寂しい気がしました。

(それだけ 仏教美術が充実していた という意味ですが…)

なにはともあれ、かような島に かような思いをもって かような寺が建てられ、それを目当てに多くの人が今も訪れている という事実は、

単純に 強く胸を打ちます。



●大山祇神社

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B1%B1%E7%A5%87%E7%A5%9E%E7%A4%BE


体調が絶不調で 実は耕三寺も足を引き摺るように拝観したのですが、

サイクリングを終えた妻が 子供にもたまには文化的なものに触れさせたい とのことで、こちらに行ってみました。

(子は私に似ず 体育会系で理系の兆候があるのです…)

以前ブログに書きましたが、私がこの道に入ったのも、子供の頃 歴史や日本美術に興味を持ったのも、

そもそもは源平時代の合戦や甲冑や武具馬具が 端緒でしたし、大山祇神社の宝物館は 当時の私の憧れの場所だった訳ですが、

体調が体調だけに 身も心も鎧を着たかのように重いまま…


さて、まずは 参詣から。

さすがに門から 素晴らしいです。たまに観光地で見かける ハリボテめいた擬古建築とは存在感が違います。

中におわす随神の彫刻も素敵。クスノキの巨木群が神々しい。


昨今 若い女性や男性の間で 日本刀がブームだと聞き及びますが、

宝物殿や国宝館は 意外な人の少なさでした。

(一般的な興味をひかれる戦国時代や江戸時代とは たしかに甲冑のデザイン性でいえば 地味ではありますが、少なくとも 刀は「圧巻!」で…)

幼少の頃の憧れの館ではあったのですが、引き摺り足の急ぎ足で、堪能は出来なかった次第です。

国宝館の 茶室にも似た薄暗さは、学芸員を夢見た幼少の初心を思い出させるに充分な、旧き佳き「博物館」の姿でした。


追記︰
帰りに8年ぶりくらいに尾道に寄ったが あまりの様変わりぶりがショックだった…

都市政策… 神戸も(京都も)ヒトのことは言えないが あんなんでいいのだろうか???

長所を自ら損なう愚かさ… いまだに



先日 午前中に4時間ほど時間ができたので、迷った末にこちらに行って来ました。

もう少し時間があれば、いつものように京都市内の美術館巡りもでき

あるいは、大阪市内の美術館巡りや 兵庫県内のはしごも考えたのですが、

こちらは こういう機会でもなければ、行けないような気がして。

また昔 こちらが開館してすぐの頃、仕事で毎日 館のすぐそばまで通った時期があったのに、

結局 中には入らぬまま 今に至ってしまったので…


*


●松花堂庭園・美術館

:平成27年 館蔵品展I「【小特集】松花堂、ユーモアの系譜」展

:〜6月28日(日)

http://www.yawata-bunka.jp/syokado/


庭園と美術館に別れており、個別見学と両ゾーン共通チケットの2種類があります。

なにぶん初めての館でしたので、時間配分が読めず、ひとまず 美術館のみに入ってみました。

展示室に入る前の導入部分に 「松花堂昭乗とは どういう人物か」 という常設の解説があり、

これが解りやすく、しかも かなり充実しておりました。

公にも武にも いわば貴賎を問わず 幅広い人脈を持ち、当時の「文化」のカナメ的役割を果たした昭乗の偉大さが

展示品を見る前に 予備知識としてしっかり伝わって来ます。

(年表は学術的にかなり詳しく、今回は詳読を略しましたが…)


で もって展示室に入ると、その「ユーモア」 の系譜に心が和みます。

正直、昭乗が直接的に関わった作品は 点数として限られているのですが、

豊蔵坊孝仍や 萩坊乗圓あるいは 豊蔵坊信海といった

いわば宗教面での弟子筋にあたる方たちの作品が 面白いです。

また、「松花堂もどき」 とでも呼べる作が 比較展示してあるのも。


(昭乗自身の作は、当館のオープン記念 「松花堂 茶会記と茶の湯の世界」展:2002年10月

 に、網羅的に蒐められていたようで、つくづく当時行けなかったことが残念です。

 図録がミュージアムショップに残っていたのを、なんとか手に入れた次第です。)


(上記 館のリンク先で、館蔵品の多くが公開されていますので、ご参照ください。)

*

展示品については 少し物足りない思いがしたので、

せっかくなので庭園にも入ってみました。

両ゾーンの間に「京都吉兆 松花堂店」 があり、元祖 松花堂弁当が 庭を眺めながら食べられる造りですが、

図録を買ったら 財布に200円しか残っていないのに気づき 諦めました。そもそも時間が無いのだ し…と。

さて、「エジソンの竹」の八幡市だけあって 竹の種類が面白いです。

北は京都から 南は「かぐや姫」の京田辺まで このあたりは「竹の本場」なのでしょう。

竹垣も種類が豊富で、それぞれにネームが打ってあるので、違いがよく解ります。


(思えば、高校の頃、まだ茶道と出会う前に 図書館でたまたま竹垣の写真集を見て、灯籠の写真集、石組の写真集…と、庭にのめり込んでいったのを思い出しました)


上の写真は、「昭乗垣」。桂離宮の「穂垣」と組み方が少し異なります。

(組む仕事のことを考えると、気が遠くなる思いです。見る分には美しいのですが)

受付で頂いた 簡単な地図とにらめっこして、お目当ての「松花堂」 に急いだのですが、

ようやく出口まじかに見つかりました。

昭乗の人となりを偲ばせる、また、草庵かくべしと唸らせる 素晴らしい建築です。

(寝起きできるたけの空間に、洞庫というか棚袋というか 押入れ的な襖の内側に 丸炉が切ってあります。)

また、隣接する 「泉坊 書院」 は、立派な書院造りに玉座まで備わり、

これは期待以上でした。


ウィキペディアの松花堂の欄にあるように
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E8%8A%B1%E5%A0%82

かつて男山に 数百を誇った坊も、江戸末期には48坊となり、それも かの廃仏毀釈で 壊滅します。

地元の篤志家が 移築につぐ移築で なんとかこれを守り抜き、

塚本素山氏の手になったあと (ワコールの塚本幸一氏だと今まで誤認していましたが、素山氏でした…)

八幡市に寄付され、紆余曲折を経て、今の形になったということのようです。



相変わらず だらだらと書いてしまいましたが、時間が来ましたので このへんで…


駐車場が広く、(石清水八幡宮 等 周辺に行かれないのなら) 車を利用される方が便利ではないでしょうか。


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▼ 旧ブログ 記事:2012/07/12 23:28 からの転載 ▼

* 挑交会 茶道具展  -7人による円融の空間-
 
:H 24/7/11(水)〜7/17(火)
:京都 高島屋 6階美術画廊
 
(指物師) 岩木 秀樹 / (塗師) 岩渕 祐二 / (釜師) 角谷 和彦
  / (陶工) 西村 德哉 / (陶工) 檜垣 良多 / (指物師) 兵働 知也
  / (陶工) 宮川 鉄司
 
 
背中にのしかかるような 京都の湿度を浴びながら、昨日さっそく お邪魔して来ました。
 
すでにご存知の、あるいは、すぐに どなたのご子息か推察できる
 
「各分野で 茶道具制作に勤しんでおられる 次代の作り手 7名」 (案内状より引用)
 
の、競演 であり 共演です。
 
*
 
私の友人であり 仲間、否、いわば戦友である 兵働知也さんが参加しておられるので、
 
逆に あまり大言壮語な紹介は、避けたい心境でありますが、
 
私の 個人的な感想 としましては、
 
“モダンでありながら、奇を衒っていない”  “伝統の踏襲 の内から、新味の発露する”
 
茶道具として 使い勝手の良さそうな・取り合わせの楽しそうな お道具群だった気がします。
 
(兵働さん…いつも生意気ばかりで僭越ですが…、湿度を忘れさせてくれる スガスガシイ思いがしました。ありがとうございました。)
 
ちょうど 兵働さんが言っておられましたが、
 
“その1点単体で、100%完結してしまう【美術工芸品】 にならないよう”
 
取り合わされて はじめて、良さが 浮き出てくるような、「道具」 づくりを
 
常に心がけて おられるようです。
 
(氏はストイックな 職人気質 ですので、私が勝手に翻案させて頂きましたが……、おっしゃることと 大きくズレては ないと思います……)
 
*
 
会の皆さんが、合作 (“コラボレーション”でなく あえて合作と呼びたい) しておられる
 
(上) 案内状 写真の作品群は、ぜひ 細部までじっくり ご覧ください。
 
 
 
まさに 祇園祭 さなかの四条通り ですが、人ごみを掻き分けてでも 行く価値アリです!
 
(昨日 ちょうど 長刀鉾の 鉾立がはじまっていました。)
 
涼みがてら 高島屋さんに 行ってみるべき です。
 
結局 私情を挟み込んでしまった……



半日 池田に、一日 京都に、行ってきました。

*

●逸翁美術館

:秋季展 第二部 「茶の湯交遊録 小林一三と近代茶人たち」 展

:〜 12月15日(日)

http://www.hankyu-bunka.or.jp/sys/info/article/60


●表千家 北山会館

:特別展 「少庵四百年忌 千家二代 少庵ゆかりの茶道具展 -利休の継承とその時代-」 展

:〜 12月15日(日)

http://www.kitayamakaikan.jp/special/index.html


●茶道資料館

:秋季特別展 佐賀県立九州陶磁文化館所蔵名品展 「華やぎの九州陶磁」 展

:〜 12月8日(日)

http://www.urasenke.or.jp/textc/gallery/tenji/tenjinow/tenji.html


●表千家会館


●樂美術館

:秋期特別展 「利休・少庵・元伯/千家の時代 と長谷川等伯『松林架橋図襖』修復完成記念 特別展示」

:〜12月23日(祝)

http://www.raku-yaki.or.jp/museum/exhibition/index.html

*

「一三と近代茶人たち」 展は、

前回 耳庵との交友 のみに焦点が当てられていたのに比して、

(ほぼ 「全」近代数寄者 と呼んでも過言でなさそうな) 20名以上の近代茶人 の、ゆかりの品が、

それぞれ 逸翁との関係を解説しつつ 陳列されています。

一人1品 の場合もありますが、ここまで網羅的な展示は 珍しく、

逸翁の 交友の広さや人柄が 偲ばれます。

(香雪美術館の 村山香雪=玄庵が、阪急電車の敷設の際、自邸の脇に計画されたことを期に 仲違いし、その後 仲直りする……等々、それぞれとのエピソードが面白いです。)

香雪の俳句短冊 「(梅) 老樹にも」 の軸装が、表具に 梅に関する「新聞記事」を使っていて、

(岡本などの名所や 目を引くキーワードが、念入りにバランス良く散らしてあります。全てが朝日新聞の記事かどうか判りませんが)

逸翁らしいアイデアと遊び心が楽しいです。

(同じ発想の表装が、もう1幅ありましたが、この梅の方が、秀逸でした。)

益田鈍翁が 光悦七種の赤楽茶碗 「障子」 を、ミニチュアとして写した グイ呑も、とても面白かったです。


「少庵」 展は、

400年忌を記念し、裏千家との「連携展示」だったようで、

(会期が短く、裏千家茶道資料館の期間中に、結局 時間が作れなかったのが、悔やまれます)

印象としては、掛物 等、資料・史料として 価値の高いもの の展示が多かった 気がします。

もちろん 少庵好として 著名な工芸品も、多く陳列されていましたが…。

印象的だったのは、不審菴(模型)のお床の花入 「利休所持 鐔」 と、その添状です。

(鐔花入は、その大きさの 数倍にも感じられる存在感、名物ぶり を発揮しているのですが、添状では 利休は 道安に 「あまり高値なようだったら、わざわざ手に入れる程の価値はない」 と…。)
(そして それが結局は、利休所持として 後世 著名になっていることを鑑みると)

(利休・少庵・道安の関係も 想像させる このエピソードは、不審菴H.Pにも載っていました)
  http://www.omotesenke.jp/chanoyu/7_3_11a.html

2階の いつも立礼席の展示がある部屋に、お道具の「長持」 が展示され、

また 地階の、若宗匠と中村昌生・熊倉功夫 両先生の鼎談VTRも、面白いものでした。


「九州陶磁」 展は、

九州陶磁文化館 の「柴田コレクション」 より 多く出陳され、そして それらは、登録有形文化財の「工芸部門 第1号指定」 だそうです。

(登録文化財制度は、ちょうど私の学芸員課程 在学中に創設され、そして早速 卒業1年目に、登録された建築に関わることになったのですが、だからといって言う 訳ではありませんが、工芸にも広げられたことは意義深く、個人的には「世界遺産」うんぬんより価値のある 制度だと思います。)

茶陶が少なかった のが、少し残念でした。


樂美術館 は、

こちらも 少庵400年忌に ちなむもののようで、

(いつもは 歴代が並ぶ1階も ふくめ) 利休・少庵・宗旦 時代の、つまり 長次郎〜のんこう に絞った 展示となっています。

その分、長次郎や宗慶・尼焼〜のんこう までの名品の密度が濃いので、そこを突き詰めたり 比較したりして 見ることが出来ます。

(例えば、常慶の 井戸形茶碗は、「香炉釉」と「赤楽」が、横並びに両碗 展示されていたり…)

修復の叶った「松林架橋図」 は、やはり 襖絵ですので、襖が閉まった状態で見るのが相応しく、

その写真も見逃さないようにしたい所です。


「凡鳥棗」 と 「利休桐文棗 (庸軒箱書)」 の横並び比較 や、「夜桜棗 写 (5代 宗哲)」 の 北山会館の本歌との比較 も面白く、

「瀬戸雁口花入 (利休在判)」 は、とても素敵でした。(以前に ブログに書いてあるかもしれませんが…)

(宗旦「露地画賛 飛び石画“露地はさびたるもよし きれいなるもよし”」 は、湯木美術館の のんこう 赤 「是色」・「蕣画賛 (遠州・江月・昭乗)」・滴水美術館の「茶杓 (木下長嘯子)」 と並び 「欲しい!」と憧れさせれました)


表千家会館さんでも、見せて頂き、(秋にふさわしい十職作品が並んでいました。特に永楽さんの 渋めの作行が印象的)

いつもは 先を急ぐ 呈茶を、北山会館でも 茶道資料館でも しっかり頂いて、

すっかり 文化の秋 を堪能した一日半でした。


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写真:【石橋静友堂 ねっと店】:(左上):白粉解棗 粒菊蒔絵  紹鴎好写  *岡本陽斎*
http://seiyudo.ocnk.net/product/7246
  :(右上):茶碗 赤楽 「道成寺」  長次郎写 *佐々木昭楽*  鐘*巳年にも
http://seiyudo.ocnk.net/product/6539
  :(左下):茶碗 赤楽 「障子」  光悦写 *佐々木昭楽* 
http://seiyudo.ocnk.net/product/875
  :(右下):夜桜棗  少庵好写  *浜田慎一郎*
http://seiyudo.ocnk.net/product/3978

▼追加▼
【茶道具】 唐銅花入 鍔  利休所持写  *鐔*ツバ
http://seiyudo.ocnk.net/product/7617

▼ 旧ブログ 記事:2009/11/26 18:45 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

新・逸翁美術館 開館記念特別展に 行って来ました。


まず 感じたのは、
同じ展示品でも、あの趣き深い山荘に展示してあるのと、
立派な現代施設になった新美術館では、
ずいぶん 雰囲気が変わってしまうなぁ……ということです。

いうなれば、山荘に飾ってあった頃は「道具」だったものが、
「展示物」になってしまったなぁ……ということです。

(博物館・美術館の使命として、「展示」以外に、
「保存(後世への引継)」や「調査研究」や「教育」という大切な役割があることを
省みれば、新美術館は 一つの <前進>なのでしょうし、
いたしかたない のでありますが……)

具体的には、
「呼継茶碗 『家光公』 逸翁銘」の雰囲気が、ガラリと変わってしまった
気がします。
山荘で 初めて目にした時は、ハッと驚かされ、大好きな茶碗だったのですが……

立派な展示ケースに収まる彼は、
「往年のオーラが薄れてしまったなぁ」「ずいぶんと、丸くなってしまったなぁ」
といった感です。

確かに、新展示施設は、素晴らしいです。

たぶん最先端の展示ケースは、(色んな展示物が「最適」に展示されるのでしょうし)
なにより、私の知る限り ピカ一の「見易さ」です。
(あ〜 もっとコウだったら良かったのに……との苦痛を感じませんでした。
すごい混雑ぶりに関わらず、相当 快適に見れました。
(展示工学(?)だかは、ますます進歩しているようです。)

山荘の有名な茶室も、きちんと「写し」が館内にありました。
(こちらも、どうしても本歌と比べてしまい、存在感・オーラが気になりましたが、
逸翁の創意工夫は、体感できるのではないでしょうか。)

係員さんも、現代的なアテンダントさん になっておりました。

だが、しかし……
何というのでしょうか?逸翁との「一体感」?あの空気感がもう味わえないのかと思うと、
今更ながら、ちょっと寂しくあります……

白鶴美術館のような、旧き良き「博物館」的空気が、ここではもう味わえない
のかと思うと……


*
今回の展示品


逸翁は、近代数寄者の中でも、非常にバランスの取れた 美意識の持ち主
だったのではないかと、私は思う訳ですが、

そんな逸翁の美意識が、これまたバランスよく配された展示構成です。

逸翁らしい 鋭敏な それでいて おおらかな愛玩品のうちで、
私が イイナ〜 ステキダナ〜と、特に見とれた2点

「青磁 日月雲耳 小瓶(杓立)」

これは、魚耳や鳳凰耳でよくある七官青磁の花入が
日(裏面が月?)を抱く雲形の耳になっているもの。
とにかく 大きさも含め、耳のデザインが秀逸です。

「志野 柑子口 花入」

柑子口なので、徳利としては使えないし、杓立にしてもバランスが悪いし……
ほんの僅かに浮き出た赤が、どんな花をも引き立たせそうな
肌合のいい 使い勝手の良さそうな、志野でした。


逆に、ウギャッと ひいちゃったのが
「マイセン窯 マンドリン形 花生」

逸翁は、外遊時に持ち帰った ナフキンリングやエッグスタンドや
小瓶や スペインの扇子を、
見事に 茶道具に仕立てあげていますが、このマンドリンに関しては、
いったい どういう使い方をしたのか……
一緒に 取り合わされる 他の道具たちの悲鳴が聞こえてきそうです……
(それとも、見事に 配したのでしょうか???)


今回は あまりにも時間が足りなかったけど、
今度は、新設なったカッフェで、ゆっくりお茶でもしたい所です。


※注: 写真は、展示品の「松平不昧 所持・雲州蔵帳 収載」の物ではなく、【ねっと店】にて販売中の 現代作家の「菱馬水指」です。
http://seiyudo.ocnk.net/product-list?keyword=%E8%8F%B1%E9%A6%AC&Submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2
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あいかわらず いまさらながら……

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どれくらい前だったか、野村美術館・楽美術館の
展覧会に行ってきた。


野村美術館 「樂家の歴代展」 前期:〜10月25日 後期:10/27〜12/13


1フロア ずらりと楽ばかりなのは、なかなかの壮観。

特に面白かったのは、「席飾り」の部の
「旦入 楽尽茶箱」。

茶入・茶碗・建水・香合 そして茶杓までも、
それぞれ 趣の異なる楽焼で作られている。

(風炉の上の「土瓶」までも、慶入の作だったので、
本当に「楽尽」で楽しかった。)

「席飾」のコーナーは、奥に配置している物が見辛い…のだが、
やはり 畳の上のお道具は、イイ!


ちょっと「???」だったのが、
「惺入作 楽焼十二支香合」
12個 揃ってはおらず、(記憶では3つほど)展示されていなかったし、
何より、
添えてある 共箱の箱書と、内容が一致していない物が
混じっていた気がする。
(忘れてしまったけど、例えば 黒楽亥 と書いてあるのに、
 猪は 赤楽 だったとか……。その類が複数あった気がする。)
展示上の都合か、
私の目の錯覚か、浅学のせいか、記憶違いだろうか???


地下フロアは「茶の湯の棚」展 (〜10月12日)

今日現在で、既に終了しているが、
これが なかなか 良かった。

自流の好み以外の棚物は、なかなか見る機会が少ないせいか、
見学者のみなさんは、ああでもない こうでもないと、
かまびすしく ご覧になっていた。


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楽美術館 「重要文化財 新指定記念 特別展
          『長次郎 二彩獅子像 + 勢揃い京の焼物』」(〜12月20日)


野村さんで楽展が開かれている間、
こちらは 京焼が、文字通り 勢揃い。

古清水から、仁清・乾山 〜 頴川・木米・仁阿弥・六兵衛・永楽
そして宮川長造まで。

この美術館で、楽以外のものが、これだけ整列しているのが
小気味良い。
そして、この美術館 特有の照明が、
楽以外の 色絵を照らし(影を浮かばせ)ているのが、心地良い。

ほの暗い茶室で、数寄者たちが、愛蔵品を自慢しあっているような……

特に、真葛の作品が、
あのような 薄暗さの中では、また別の存在感を浮かび上がらせる
ことに 感心。

(保全だったか 和全だったか、忘れてしまったけれど)
永楽の黒楽茶碗も、楽しかった。

光にも陰にも 負けない存在感を持つ物が、
名品なのかも しれないな…… 
▼ 旧ブログ 記事:2009/10/08 19:33 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

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いよいよ 逸翁美術館が、新築なって帰って来られました!

なんだか閉館している間は、
兄弟が留学にでも行っているような、ふとした寂しさがございましたが、
立派になって帰って来られました。

(もちろん、私はまだ行けておりませんので、実物は目にしていないのですが)

ミュージアムショップの他、食事の摂れるカフェも出来たようです。

(そして、ご安心ください。趣深い、元の建築は、「小林一三記念館」としてオープン予定です。)

場所も、ちょっと移転して、池田文庫のお隣のようですので、
久しぶりに 行かれる方は、どうぞご注意を……


●新・逸翁美術館 開館記念特別展

:「茶人 逸翁 -茶の湯文化と小林一三」展

:10月4日(日)〜11月29日(日)

http://www.itsuo-museum.com/exhibition/

:主な出品作品

・重要文化財「佐竹本三十六歌仙切 藤原高光」 伝藤原信実画 伝後京極良経詞書
・「石山切」 伝藤原公任筆
・「消息 細川幽斎宛」 千利休筆
・「桃林騎馬図」 与謝蕪村筆
・青花高砂花入 
・寄合茶杓 如心斎銘「淀舟」 逸翁追銘「乗合船」 千利休・千少庵・千宗旦・久田宗全・如心斎作
・龍田川文向付 尾形乾山作 


◆招待券 ご希望の方は下記へ

http://seiyudo.ocnk.net/product/3231
▼ 旧ブログ 記事:2009/09/15 18:32 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

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弊店は、いわゆる「異人館」街の近くですので、
ふらりと(?)
外国のお客様が 訪ねて来られます。

(中には、○千家流 ●十年の方や、数寄者風の方も)

在神 何十年の、私より日本滞在歴が永い方もいれば、
上陸したて(?)の「イジンサン」もいらっしゃいます。

私は、とんと英語が苦手ですので、電子辞書 片手に、
あれこれ 覚束なく 説明する訳ですが……

(ハギ「萩焼」やゼン「禅」がやはり 人気があるようです)

そんな折、話題になるのが、
「ワビ・サビは、日本だけに 在るものか?」
ということです。


彼らだけでなく、
私も「否!」と言いたい……

(それは、歴史の古いヨーロッパだけでなく、
ハンバーガーの国、アメリカにも 存在する、観念であり 美意識だと
ワタクシは 思うのであります。)

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さて。

兵庫陶芸美術館 「ハンス・コパー」展

:9月12日(土)〜11月29日(日)

http://www.mcart.jp/21/exhibition/coper/coper.htm

イギリスの陶芸は、日本の「民芸」的なものは、さりながら、
茶道の道具として使ったら、面白そうなものが テンコ盛りです。

懐石あるいは菓子に 使いたいルーシー・リーの作品も好きですが、
この ハンス・コパーが なんとも言えない……

遠州の言うところの「きれいさび」でしょうか?

水指として、あるいは 花入として、
樂 ご当代の焼貫のお道具や、
初代 寒雉の釜なんか と出遭わせてみたい……
と、内心 密かにタクランデいるのでございます。

(タクラムだけで、そんな力は、ワタクシは持ち合わせていない のでありますが)

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「ハンス・コパー」展の招待券を、ご希望の方は、下記へ
http://seiyudo.ocnk.net/product/2914