2017年2月

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●特別展「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」 展

:大阪市立東洋陶磁美術館
:2016/12/10 ~ 2017/03/26

http://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=366


一つ得るということは 一つ失うということ
だとすれば、当然

美術館に足を運ぶのも コストやリスクを勘案して、
(例えば 列に数時間も並んでまで 見るべきものなのか)
自分の中で 折り合いをつけて、訪問している はずですが、

本展には 多少のコストを払い リスクを犯してでも、行く べきかも知れません。

なんたって ポスターのコピーにあるように

「人類史上最高のやきもの 海外初公開、初来日。」
「もう、二度と出会えないかもしれない。たった6点、世紀の展覧会。」
「神品降臨」

なのですから。

しかも、実際のところ、
前評判どおり 予想されたとおり 人気展には違いないのですが、
(アホほど混み合ってはいない)
ちょうど良い 賑わいぶり で、

後述の 「特集展」・「常設展」も一緒に見れることを思えば、
入館料1200円は、コストやリスクに見合わぬ お得さ だと言えます。


さて、
本展の何がスゴいのかは、公式サイトにも 解りやすい解説がありますし、
すでにご覧になった 陶磁マニアの方々のブログ等も あるでしょうから、
そちらに譲る としまして、

私が感嘆した 本展のスゴさ を簡単に……


1.「青磁無紋水仙盆」の無文ぶり がスゴい

2.東洋陶磁美術館 蔵の「水仙盆」の正面に 「飛び」が1つだけ入っている のがスゴい

3.同じ形の「青磁水仙盆」の「汝窯 5点」と「景徳鎮官窯 1点」と「日本の現代作 2点」が比較できる のがスゴい

4.水仙盆の「付属品」も スゴい

5.乾隆帝の「思い」が スゴい そもそも皇帝の権力 がスゴい

6.東洋陶磁美術館と 國立故宮博物院の 交流ぶり がスゴい

7.特集展 「宋磁の美」との連動ぶり がスゴい

8.この度 新発見され 国内3点目の「汝窯青磁」と確認された 「青磁盞」 がスゴい

9.あまり同時には陳列されない 同館蔵の
  「国宝 油滴天目茶碗」・「国宝 飛青磁花生」・「重文 青磁鳳凰耳花生」・「重文 木葉天目茶碗」
  の4つの茶道具が 一度に見れる のがスゴい


解説にもあるように、
皇帝の「猫の餌入れ」とも蔑称された「水仙盆」の本来の用途は、
「筆洗」であるとか 「不明」だとか 書かれるけれど、

水仙には 青磁が 本当によく似合う。

それも、
(茶道具としては「砧青磁」や「七官青磁」や「天龍寺青磁」といった分類がされるけど)
このような「天青色」が よく似あう。
(七官や天龍寺では… …)

夜咄などで使われる 「石菖鉢」などは
逆に 砧青磁では 美女と野獣 である。

この形といい、「猫の餌入れ」以外では 水仙専用の器 が、「水仙盆」の有り様では ないだろうか???

中国の歴史が何千年か 詳しくは知らないが、
ある一つの花 専用の容れ物 があるなんて
これぞ 「文明」 では ないだろうか。

一つの文明の成り立ち の下には 何千何万もの犠牲が 隠れている ものだけれど…

何千何万もの 人々の思いや力が 成し遂げた 落ち度なく完成された「美」…


写真:「青磁水仙盆」 島田幸一 (撮影可能コーナーより)


*

幼い頃から 何百展 行っているか判らないが、
今回 人生で始めて「音声ガイダンス」というものを 借りてみた。
(思えば 貸し出す側には たっていた時期があったのだけれど…)

こういうキャプションも読めぬほど 混雑している展覧会には
なかなか 便利なものだと あらためて知った。

学芸員さんたちが 苦心して設定した展示順に 素直に従わず、
空いている展示を ヒットアンドアウェイ式に 狙い撃ちして
後で頭の中で 展示順に組み立て直して するには
歩きながらでも聞ける「音声ガイダンス」には、文字にはない長所があるものだ とあらためて知って
勉強になった。
●茶道アプリ【茶道手帳・茶道辞典】(ブラウザ版)限定の「3月のプレゼント」は、以下の5種です。

●ご応募は、アプリよりお願いいたします。

●当選は、発送をもって替えさせて頂きます。

●応募状況の多寡により、(事前に予告の上)抽選日を多少前後させて頂く場合がございます。


1.前大徳 福本積應師 画賛色紙 (真筆)

  ・写真: https://www.instagram.com/p/BRAlM_rBjDn/?taken-by=seiyudo

  ・プレゼント個数:1名さま

  ・抽選日:2017年03月21日

  ・発送日:2017年03月22日 頃

  ・販売ページ: http://seiyudo.ocnk.net/product/7910


2.上林春松本店 抹茶 「綾の森」 20g缶

  ・写真: https://www.instagram.com/p/BRAmEEiB0lO/?taken-by=seiyudo

  ・プレゼント個数:1名さま

  ・抽選日:2017年03月21日

  ・発送日:2017年03月22日~03月末 頃

  ・販売ページ: http://seiyudo.ocnk.net/product-list/37

  ※抹茶は、全品 「定価」の2割引にて、常より販売しております。

  ※お送りする抹茶は、新たに仕入れますので、発送日が多少前後します。
   (よって賞味期限も きちんと最大の6カ月間 ございます。)


3.美術館 招待券A

  ・写真: https://www.instagram.com/p/BRAmv8kB4ZS/?taken-by=seiyudo

  ・館名:兵庫陶芸美術館

  ・展名:【特別展】丹波焼と三田焼の粋を集めて-森基コレクションの名品-
       【テーマ展】かわいい やきもの わきあいあい   
      (他 常設展も入場可)

  ・会期:2017年03月04日 〜 05月28日

  ・公式サイト: http://www.mcart.jp/exhibition

  ・プレゼント個数:最大 5名さま まで

  ・抽選日:2017年03月15日

  ・発送日:2017年03月16日 頃

  ※同じチケットを 「4月のプレゼント」でも進呈する予定ですので、抽選日を過ぎた場合は
   来月 新たにご応募くださいませ。

  ※ご応募時に、希望枚数をお書きくださいませ。

  ※当選されましても、希望枚数が多い時 必ずしもご希望にそえない場合がございますが、
   その場合でも 足りない枚数分は「割引入場券」を同封させて頂きます。


4.美術館 招待券B

  ・写真: https://www.instagram.com/p/BP1SvdIAfQ4/?taken-by=seiyudo

  ・館名:姫路市立美術館

  ・展名:ブリューゲル、レンブラント、ルーベンス バロックの巨匠たち (他 常設展も入場可)

  ・会期:2017年03月28日 まで

  ・公式サイト: http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/kikaku.html

  ・プレゼント個数:ペア 1組さま

  ・抽選日:2017年03月07日

  ・発送日:2017年03月09日 頃



5.アプリ限定 3月度 クーポン

  ・使用可能日:2017年03月01日 〜 03月31日

  ・使用可能店舗:石橋静友堂 ねっと店

  ・使用可能者:会員・未会員を問わず 誰でも使用可能

  ・クーポンの種類:「500円 OFF」クーポン

  ・クーポンの特徴:お買上げ額に関わらず 500円割引となる

  ・クーポン使用限度:期間中 1度のみ

  ・クーポンコード:アプリ内「今月の贈り物」に記載

  ・クーポンとは?: http://seiyudo.ocnk.net/news-detail/59
・茶道アプリ【茶道手帳・茶道辞典】(ブラウザ版)限定の「2月のプレゼント」に

 多数のご応募を賜り、まことにありがとうございます。

・ご当選者さま は下記の通りです。

・来月も 奮ってご参加くださいますよう 何卒宜しくお願い申し上げます。


1.数寄屋袋 桃色 …… 東京都 文京区 T.Kさま

2.美術館 招待券A …… 滋賀県 東近江市 Y.Yさま / 京都府 福知山市 O.Mさま

3.美術館 招待券B …… 福岡県 粕屋町 I.Eさま

4.美術館 招待券C …… 大阪府 箕面市 T.Aさま

5.美術館 招待券D …… 兵庫県 赤穂市 S.Nさま
▼ 店主「個人ブログ」内の〈拙の美 (美学)〉からの転載。(元記事が削除されるのを恐れてのバックアップ)▼



先日、 「茶碗の中の宇宙 -樂家一子相伝の芸術‐」 展 を見学して、
宇宙のこと を思い出した。美学のこと を思い出した。

このブログがほったらかしだった ことを思い出した。

*

まず、展に少し触れると、
公式ブログの方に http://www.bansui.jp/diary-detail/127?category=5 「一子相伝」 については書いたが、

(また、作品リストを 同じく公式ブログの  http://www.bansui.jp/diary-detail/129?category=2 に書いたが)

重要文化財・利休所持 等のそうそうな顔ぶれが集う


(ざっと挙げても…
長次郎の黒樂 「大黒」・「万代屋黒」・「ムキ栗」・「禿」 ・「シコロヒキ」・「あやめ」・「俊寛」・「面影」・「杵ヲレ」 ・「太夫黒」・「本覚坊」・「万代」と 赤樂 「無一物」・ 「白鷺」・「太郎坊」・「次郎坊」・「一文字」
ノンコウの赤樂(「鵺」は見れなかったが)「寒菊」・「山人」・「僧正」と 黒樂 「青山」・「木下」・「升」・「荒磯」・「寿老人」
本阿弥光悦の(飴釉樂 「紙屋」も…) 黒樂 「村雲」・「雨雲」と 赤樂 「乙御前」・「弁財天」・「加賀」 そして白樂が(「不二山」・「白狐」と3碗のうち) 「冠雪」
その他 当代吉左衛門さんの作が、フランスでの作陶分も含めて多数と、次期16代 篤人さんの作、そして弟の樂雅臣さんの彫刻 … 表千家不審菴の春屋宗園 賛・長谷川等伯 筆 「千利休像」 まで…)


大展覧会 であったことは間違いない。


はじめたばかりのインスタグラムに 写真を上げたこともあり、
帰りの車内では スマホの電池が切れ、幸いとばかり 展覧会の図録に目を通した。

京都国立近代美術館の松原龍一さんや ご当代が語っているように、
樂焼茶碗は、利休の時代から現在にいたるまで 「今焼茶碗」 であり続け、

だからこそ 両近代美術館で開催することに意味がある…

とか

一子相伝の 「不連続の連続」性 であるとか

(見ていないので よく解らないけれど)
中谷美紀さんが語る 映画「利休にたずねよ」 の万代屋黒の話とか

国際交流基金が1997年以降 世界に樂焼を紹介していく逸話であるとか

挿入される話が いちいち面白いのだけれど、

なかでも
当代と 坂東玉三郎さんの対談 「不連続の連続、作為と無作為、そして宇宙」 の中で、
高麗茶碗をひきあいに出し、

「柳宗悦ら民藝運動の人たち」 が 「長次郎は要するに 『無作為を装っている』。…
一方で、民藝のものはほんとうの意味で無作為、無心だ」…

と評したこと に触れ、

当代が
「私は、民藝のものには作為がない、というのは一つの幻想だと思うんです。人間は作為して、生きてゆくものなんです。」
「無作為を重んじる気持ちもわかりますが、作為、無作為よりも大切なものは、人間の葛藤だと思うんです。」
「… 作為の有無の問題とは関係なく、民藝のものでも高麗茶碗でも、一つの時代をちゃんと生きた茶碗には、人を感動させる力があると思うんです。喜びも苦しみも悲しみも、そこに生きているから。」

と語った 部分が一番面白かった。


僕は学芸員課程で 河井寛次郎記念館さんには ずいぶんお世話になったが、
あの人柄の寛次郎さん でさえ、たぶん「葛藤」の素地の上に「葛藤」の釉薬を焼き付けて
寛次郎さんなりの 宇宙の創造主となった はずなのだから。


ヒトは それぞれなりの 葛藤の生地をこね 焼き
それぞれなりの宇宙を 外在させ 内在させる のだ。


ちょうどドーナツの円環のように


*


前回、
: 人という1 愛という0 (仮題) : の翌日に 続きを書くつもりが、インフルエンザに罹患し

続いて 仕事がたてこんだために すっかり忘れてしまっていた

続きを 下に


*


大学を3年留年して 帳尻を合わすために 最後の2年は猛勉強して
結果的には 商学部の単位も 博物館学芸員の単位も 池坊短大の単位も 「優秀な成績」 で終えた訳だが、

そんな時間の中でも 特に印象的だった授業が (このブログで何度か書いた)

物理学だか何だか の講義である。 (科目名は忘れてしまった

もの静かでダンディーな先生の (名前は忘れてしまった

口から次々と放たれる 雑談めいた話は どれも新鮮で 驚きに満ちていた。

今では当たり前の 「宇宙人はいて当然。学者はみんな いると思っている」 という話や
「ダークマター」 の話や 「宇宙の終焉」の話 は 当時の僕には驚きでしかなかった。


そんな授業の中でも 一番心に響いたのが、このブログで何度か触れた
「エントロピーの増大」 の話である。


【マーケティングは幻覚剤、 複雑な消費行動は より早く地球を滅ぼせるので どんどんやろう!?】
http://markezine.jp/article/detail/24692

は、

ずっと自分の中で 折り合いがつかなかった 「宇宙の法則」 と 「なぜヒトは生かされ続けるのか?」
という問題が 見事に溶け合った 記事である。

今回も (元記事が削除されたこと時のことを考慮して) 自分なりにここに要約するつもり だったが、

あまりにも遅くなったので もう止めよう



先日 見学し、http://www.bansui.jp/diary-detail/127?category=5 に記事にしました

「茶碗の中の宇宙 -樂家一子相伝の芸術‐」 展 (京都国立近代美術館・東京国立近代美術館)

の出品作品リストを、図録も参照の上、備忘録的に記しました。

(京都会場と東京会場では、一部の内容が異なります。また展示替もあるようです。)

(本展とリンクする 京都会場のコレクション展 特集展示 「無限の宇宙-掌中を超えて」展の内容も含ませました。)


         「銘」    :作者        〈制作年〉    [所蔵]    ・備考
◯ 千利休像        :春屋宗園 賛・長谷川等伯 筆〈1595〉 [表千家不審菴]    ・重要文化財
◯ 二彩獅子        :初代 長次郎    〈1574〉    [樂美術館]    ・重要文化財
● 茶碗 黒樂 「大黒」    :初代 長次郎    〈16C〉              ・重要文化財・千利休所蔵
● 茶碗 赤樂 「無一物」    :初代 長次郎    〈16C〉    [頴川美術館]    ・重要文化財
● 茶碗 赤樂 「白鷺」    :初代 長次郎    〈16C〉    [裏千家今日庵]   
● 茶碗 赤樂 「太郎坊」    :初代 長次郎    〈16C〉    [裏千家今日庵]    ・重要文化財・千利休所蔵
● 茶碗 赤樂 「次郎坊」    :初代 長次郎    〈16C〉             
● 茶碗 赤樂 「一文字」    :初代 長次郎    〈16C〉              ・千利休所蔵
● 茶碗 黒樂 「万代屋黒」 :初代 長次郎    〈16C〉    [樂美術館]    ・千利休所蔵
● 茶碗 黒樂 「万代」    :初代 長次郎    〈16C〉    [樂美術館]    (「コレクション展」に展示)
● 茶碗 黒樂 「ムキ栗」    :初代 長次郎    〈16C〉    [文化庁]     ・重要文化財
● 茶碗 黒樂 「禿」    :初代 長次郎    〈16C〉    [表千家不審菴]    ・千利休所蔵
● 茶碗 黒樂 「シコロヒキ」 :初代 長次郎    〈16C〉    [裏千家今日庵]    ・千利休所蔵
● 茶碗 黒樂 「あやめ」    :初代 長次郎    〈16C〉    [MOA美術館]    ・千利休所蔵
● 茶碗 黒樂 「俊寛」    :初代 長次郎    〈16C〉    [三井記念美術館] ・重要文化財
● 茶碗 黒樂 「面影」    :初代 長次郎    〈16C〉    [樂美術館]   
● 筒茶碗 黒樂 「杵ヲレ」    :初代 長次郎    〈16C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「太夫黒」    :初代 長次郎    〈16C〉    [北村美術館]   
● 茶碗 黒樂 「本覚坊」    :初代 長次郎    〈16C〉              ・千利休所蔵
◯ 三彩瓜文平鉢        :初代 長次郎    〈16C〉    [東京国立博物館]   
◯ 三彩獅子香炉        :田中宗慶     〈1595〉    [梅澤記念館]   
● 茶碗 黒樂 「いさらい」 :田中宗慶     〈16C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「天狗」    :田中宗慶     〈16C〉    [表千家不審菴]   
◯ 香炉釉阿古陀形菊文水指    :田中宗慶     〈16C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「黒木」    :2代 常慶    〈17C初〉    [樂美術館]   
● 筒茶碗 黒樂 「長袴」    :2代 常慶    〈17C初〉             
● 茶碗 黒樂 「不是」    :2代 常慶    〈17C初〉             
● 井戸形茶碗  香炉釉      :2代 常慶    〈17C初〉    [樂美術館]   
◯ 香炉釉獅子香炉        :2代 常慶    〈17C初〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「木下」    :3代 道入 (ノンコウ) 〈17C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「青山」    :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉    [樂美術館]    ・重要文化財
● 茶碗 黒樂 「升」    :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉             
● 茶碗 黒樂 「荒磯」    :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉             
● 茶碗 黒樂 「寿老人」    :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉             
● 茶碗 赤樂 「鵺」    :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉    [三井記念美術館]   
● 茶碗 赤樂 「寒菊」    :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉             
● 筒茶碗 赤樂 「山人」    :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 赤樂 「僧正」    :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉    [樂美術館]   
◯ 二彩鶴首花入        :3代 道入 (ノンコウ)    〈17C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「村雲」    :本阿弥光悦    〈17C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「雨雲」    :本阿弥光悦    〈17C〉    [三井記念美術館]    ・重要文化財
● 茶碗 飴釉樂 「紙屋」    :本阿弥光悦    〈17C〉             
● 茶碗 赤樂 「乙御前」    :本阿弥光悦    〈17C〉              ・重要文化財
● 筒茶碗 赤樂 「弁財天」    :本阿弥光悦    〈17C〉             
● 茶碗 赤樂 「加賀」    :本阿弥光悦    〈17C〉    [承天閣美術館]    ・重要文化財
● 茶碗 白樂 「冠雪」    :本阿弥光悦    〈17C〉    [樂美術館]    (展外だが光悦の白楽は他に国宝「不二山」・「白狐」)
● 茶碗 黒樂 樵之絵 「山里」  :4代 一入    〈17C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 赤樂 「つるし柿」  :4代 一入    〈17C〉    [樂美術館]   
◯ 赤樂獅子香炉        :4代 一入    〈17C〉    [樂美術館]   
◯ 黒樂獅子香炉        :5代 宗入    〈17‐18C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「梅衣」    :5代 宗入    〈17‐18C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「亀毛」    :5代 宗入    〈17‐18C〉    [樂美術館]   
● 平茶碗 赤樂 「海原」    :5代 宗入    〈17‐18C〉    [表千家不審菴]   
● 筒茶碗 黒樂 「ヒヒ」    :6代 左入    〈1733〉    [樂美術館]    ・「左入二百」のうち
● 茶碗 赤樂 「毘沙門」    :6代 左入    〈1733〉    [樂美術館]    ・「左入二百」のうち
● 茶碗 赤樂          :7代 長入    〈18C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 亀之絵 「萬代の友」:8代 得入    〈18C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「巌」    :9代 了入    〈18C末〉             
● 筒茶碗 白樂           :9代 了入    〈19C初〉    [樂美術館]   
● 茶碗 赤樂           :9代 了入    〈1825〉    [樂美術館]    ・「古稀七十之内」
● 茶碗 黒樂 不二之絵    :10代 旦入    〈19C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 赤樂 「秋海棠」    :10代 旦入    〈19C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「入舟」    :11代 慶入    〈19C〉             
● 茶碗 白樂 貝貼浮文 「潮干」:11代 慶入    〈19C〉    [樂美術館]   
◯ 鵞鳥大香炉         :11代 慶入    〈19C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 赤樂         :12代 弘入    〈1890〉    [樂美術館]    ・「家祖年忌」 (長次郎300回忌記念)
● 茶碗 黒樂 「羅漢」    :12代 弘入    〈20C初〉             
● 茶碗 黒樂 「八千代」 追銘「花筵」:13代 惺入 〈20C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「若草」    :13代 惺入    〈20C〉    [樂美術館]   
◯ 八景絵象耳花入        :13代 惺入    〈20C〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「林鐘」    :14代 覚入    〈1959〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 富士之絵 「晨明」:14代 覚入    〈1962〉    [樂美術館]   
● 茶碗 赤樂 「樹映」    :14代 覚入    〈1975〉    [樂美術館]   
● 茶碗 赤樂 「杉木立」    :14代 覚入    〈1972〉             
● 平茶碗 赤樂 色釉流水文 「綵衣」:14代 覚入    〈1963〉    [樂美術館]   
● 茶碗 赤樂 「笑尉」    :14代 覚入    〈1965〉             
◯ 真砂釉栄螺水指        :14代 覚入    〈1957〉    [樂美術館]   
● 茶碗 黒樂 「三星在隅」 :15代 吉左衞門    〈2004〉    [樂美術館]    〈さんせいぐうにあり〉
● 茶碗 黒樂 「夜起対月」 :15代 吉左衞門    〈2007〉    [佐川美術館]    〈よるたってつきにたいす〉
● 茶碗 赤樂 「野桃」    :15代 吉左衞門    〈2013〉    [樂美術館]    〈やとう〉
● 茶碗 皪釉樂 「梨花」    :15代 吉左衞門    〈1998〉    [樂美術館]    〈れきゆう りか〉
● 茶碗 赤樂        :篤人 (次期16代)    〈2016〉             
● 茶碗 黒樂        :篤人 (次期16代)    〈2012〉             
● 茶碗 赤樂        :篤人 (次期16代)    〈2012〉             
● 茶碗 銹絵染付松図    :尾形乾山    〈17‐18C〉             
◯ 東山名所図屏風                  〈16C〉    [細見美術館]   
◯ 東山名所図屏風                  〈16C〉    [国立歴史民俗博物館]   
◯ 洛中洛外図屏風                  〈17C〉    [堺市博物館]   
◯ 舞楽図屏風         :俵屋宗達 筆     〈17C〉    [醍醐寺]    ・重要文化財
◯ 月梅下絵和歌書扇面        :本阿弥光悦 書・俵屋宗達 下絵 〈17C〉    [細見美術館]   
◯ 萩薄下絵和歌書扇面        :本阿弥光悦 書・俵屋宗達 下絵 〈17C〉    [細見美術館]   
◯ 忍草下絵和歌巻断簡        :本阿弥光悦 書・俵屋宗達 下絵 〈17C〉    [細見美術館]   
◯ 蓮下絵百人一首和歌巻断簡     :本阿弥光悦 書・俵屋宗達 下絵 〈17C〉    [樂美術館]   
◯ 宇治橋図団扇        :尾形光琳    〈18C〉    [細見美術館]   
◯ 柳図香包         :尾形光琳    〈18C〉    [細見美術館]   
● 茶碗 焼貫黒樂 「月朧明」    :15代 吉左衞門    〈1986〉              〈つきろうめい)
● 茶碗 焼貫樂 「白駱」    :15代 吉左衞門    〈1986〉    [樂美術館]    〈はくらく)
● 茶碗 焼貫黒樂 「翺翔天際」 :15代 吉左衞門    〈1988〉              〈こうしょうてんさい)
● 茶碗 焼貫黒樂 「暘谷」    :15代 吉左衞門    〈1989〉              〈ようこく)
● 筒茶碗 焼貫黒樂 「我歌月徘徊」 :15代 吉左衞門    〈1990〉    [樂美術館]    〈われうたえばつきはいかい)
● 茶碗 焼貫黒樂 「月華千峰」 :15代 吉左衞門    〈1990〉    [東京国立近代美術館]    〈げっかせんぽう)
● 茶碗 焼貫黒樂 「砕動風鬼」 :15代 吉左衞門    〈1990〉    [樂美術館]    〈さいどうふうき)
● 筒茶碗 焼貫黒樂 「痩蛟舞」   :15代 吉左衞門    〈1991〉              〈そうこうぶ)
● 茶碗 焼貫黒樂 「老鴞」    :15代 吉左衞門    〈1992〉    [樂美術館]    〈ろうきょう) (「コレクション展」に展示)
◯ トポグラフ 「老鴞」       :高谷史郎    〈2012〉    [佐川美術館]    (「コレクション展」に展示)
● 茶碗 焼貫黒樂 「吹馬」    :15代 吉左衞門    〈1993〉    [樂美術館]    〈すいば)
◯ トポグラフ 「吹馬」       :高谷史郎    〈2012〉    [佐川美術館]   
● 茶碗 焼貫黒樂 「女媧」    :15代 吉左衞門    〈1993〉    [樂美術館]    〈じょか)
● 筒茶碗 焼貫黒樂 「天阿」    :15代 吉左衞門    〈1993〉    [樂美術館]    〈てんあ)
● 筒茶碗 焼貫黒樂 「白暁」    :15代 吉左衞門    〈1999〉    [京都国立近代美術館]    〈はくぎょう)
● 茶碗 焼貫黒樂 「・備考欄」    :15代 吉左衞門    〈2001〉    [樂美術館]    ・銘 「峨々幽晦 黒きこと他になく 山の如く孤生して固の雄たらん」
● 茶碗 焼貫黒樂 「舟中夜起」    :15代 吉左衞門    〈2002〉    [佐川美術館]    ・シリーズ 夜の航海 〈しゅうちゅうよるおく)
● 茶碗 焼貫黒樂 「桂舟」    :15代 吉左衞門    〈2003〉    [佐川美術館]    ・シリーズ 夜の航海 〈けいしゅう)
● 茶碗 焼貫黒樂 「望湖樓醉」    :15代 吉左衞門    〈2003〉    [佐川美術館]    〈ぼうころうすい)
● 茶碗 焼貫黒樂 「・備考欄」    :15代 吉左衞門    〈2003〉    [樂美術館]    ・涔雲に浮かんでI 銘 「涔雲は風を涵して谷間を巡る
悠々雲は濃藍の洸気を集めて浮上し」
● 茶碗 焼貫黒樂 「・備考欄」    :15代 吉左衞門    〈2003〉    [佐川美術館]    ・涔雲に浮かんでII 銘 「黒銅の雲は陰気を胎んでゆるり降下する ゆらなびく雲旗をおしたて」
● 茶碗 焼貫黒樂 「・備考欄」    :15代 吉左衞門    〈2003〉              ・涔雲に浮かんでIII 銘 「雲船に乗りて山界を巡らん 眼下蒼茫白雲に煙る」
● 茶碗 焼貫黒樂 「・備考欄」    :15代 吉左衞門    〈2004〉    [佐川美術館]    ・巌上に濡洸ありI 銘 「白雲の中を登れば 巌急に迫り出して万仞 洸りのやや明かりをもって頂き近きを知る」
● 茶碗 焼貫黒樂 「・備考欄」    :15代 吉左衞門    〈2004〉    [樂美術館]    ・巌上に濡洸ありIII 銘 「巌裂は苔の露路 老いの根を嚙み」
● 茶碗 焼貫黒樂 「・備考欄」    :15代 吉左衞門    〈2004〉    [佐川美術館]    ・巌上に濡洸ありIV 銘 「幾条もの洸の道を雲根に刻む」
● 筒茶碗 焼貫黒樂 「・備考欄」    :15代 吉左衞門    〈2004〉    [樂美術館]    ・巌上に濡洸ありV 銘 「ここに到り洸得るあるがごとく 輝かずして諸物を明かす」
● 茶碗 焼貫黒樂 「一犂雨」    :15代 吉左衞門    〈2005〉    [樂美術館]    〈いちりう)
● 茶碗 焼貫黒樂 「瞪目視霄漢」    :15代 吉左衞門    〈2005〉    [佐川美術館]    〈とうもくしょうかんをみる)
◯ トポグラフ 「瞪目視霄漢」        :高谷史郎    〈2012〉    [佐川美術館]   
● 茶碗 焼貫黒樂           :15代 吉左衞門    〈2012〉    [東京国立近代美術館]   
◯ 茶入 焼貫           :15代 吉左衞門    〈1990〉    [樂美術館]   
◯ 茶入 焼貫           :15代 吉左衞門    〈1990〉    [東京国立近代美術館]   
◯ 茶入 焼貫           :15代 吉左衞門    〈1990〉             
◯ 茶入 焼貫 「青鷹」    :15代 吉左衞門    〈2006〉    [樂美術館]    〈せいたか)
◯ 茶入 焼貫 「蓑笠」    :15代 吉左衞門    〈2006〉    [佐川美術館]    〈みのがさ)
◯ 茶入 焼貫 「縞青」    :15代 吉左衞門    〈2008〉    [佐川美術館]    〈こせい)
◯ 茶入 焼貫           :15代 吉左衞門    〈1992〉    [京都国立近代美術館]   
◯ 茶入 焼貫 「乾闥婆」    :15代 吉左衞門    〈2011〉              〈けんだつば)
◯ 茶入 焼貫 「青鸞」    :15代 吉左衞門    〈2009〉    [樂美術館]    〈せいらん)
◯ 茶入 焼貫 「竜蛇」    :15代 吉左衞門    〈2009〉    [佐川美術館]    〈ナーガ)
◯ 茶入 焼貫 「迦楼羅」    :15代 吉左衞門    〈2009〉    [佐川美術館]    〈かるら)
◯ 水指 焼貫 「鞄」    :15代 吉左衞門    〈1990〉    [東京国立近代美術館]    〈かばん)
◯ 水指 焼貫           :15代 吉左衞門    〈1990〉             
◯ 花入 フランス焼締 象脚 「普賢」    :15代 吉左衞門    〈2009〉    [樂美術館]    〈ふげん)
◯ Derrière le séchoir à tabac                  :15代 吉左衞門    〈2010〉             
◯ 花入 フランス焼締 「南無」    :15代 吉左衞門    〈2009〉    [京都国立近代美術館]    〈なむ)
◯ 花入 フランス焼締 「軍荼利」    :15代 吉左衞門    〈2010〉    [樂美術館]    〈ぐんだり)
◯ Derrière le séchoir à tabac                  :15代 吉左衞門    〈2010〉    [佐川美術館]   
◯ 花入 フランス焼締           :15代 吉左衞門    〈2010〉    [京都国立近代美術館]   
◯ Derrière le séchoir à tabac                  :15代 吉左衞門    〈2010〉    [佐川美術館]   
● 茶碗 フランスRAKU           :15代 吉左衞門    〈2007〉    [佐川美術館]   
◯ Derrière le séchoir à tabac                  :15代 吉左衞門    〈2010〉             
● 茶碗 フランスRAKU           :15代 吉左衞門    〈2009〉    [佐川美術館]   
◯ Derrière le séchoir à tabac                  :15代 吉左衞門    〈2010〉    [佐川美術館]   
● 茶碗 フランスRAKU           :15代 吉左衞門    〈2010〉    [京都国立近代美術館]   
◯ 碗        「大地の朝」    :15代 吉左衞門    〈2008〉        ・シリーズ 盌 African Dream
◯ BUNA                  :15代 吉左衞門    〈2013〉             
◯ 碗        「精霊の炎」    :15代 吉左衞門    〈2008〉        ・シリーズ 盌 African Dream
◯ 碗        「司祭の冠」    :15代 吉左衞門    〈2008〉        ・シリーズ 盌 African Dream
◯ BUNA                  :15代 吉左衞門    〈2013〉             
◯ 碗        「大地の雨」    :15代 吉左衞門    〈2008〉        ・シリーズ 盌 African Dream
◯ BUNA                  :15代 吉左衞門    〈2013〉             
● 茶碗 焼貫黒樂           :15代 吉左衞門    〈2013〉             
● 茶碗 焼貫黒樂           :15代 吉左衞門    〈2014〉             
● 茶碗 焼貫黒樂           :15代 吉左衞門    〈2015〉             
◯ 作品 (黒地に黒円)―長次郎 万代屋黒    :15代 吉左衞門・畠山祟 〈2016〉 (「コレクション展」)
◯ プリミティブ輪形石 (ミャンマー)        〈1C〉  (「コレクション展」)
◯ 輪廻 宇宙              :樂雅臣        〈2016〉  (「コレクション展」)
◯ プリミティブ輪形石 (インンドネシア スンバ島)        〈18‐19C〉 (「コレクション展」)
◯ Toposan / 万代屋黒―老鴞        :高谷史郎     〈2016〉  (「コレクション展」)
◯ 作品 (無地に白円)        :吉原治良     〈1968〉   [京都国立近代美術館] (「コレクション展」)


▲写真(左):【石橋静友堂 ねっと店】 茶碗 赤楽 「乙御前」  光悦写 *佐々木昭楽*  [8cwn94011]

▲写真(右):【石橋静友堂 ねっと店】 茶碗 黒楽 樵の絵 「山里」 一入写  *佐々木昭楽*  [8cwn021030]

※「長次郎・のんこう・光悦」写は http://seiyudo.ocnk.net/product-list/47
  それ以外の 楽歴代 写は http://seiyudo.ocnk.net/product-list/49    にて販売しております。


●「茶碗の中の宇宙 -樂家一子相伝の芸術‐」 展

:京都国立近代美術館
:2016/12/17 ~ 2017/02/12

:東京国立近代美術館
:2017/03/14 ~ 2017/05/21

http://raku2016-17.jp/


去年の大晦日に流行った 言い方でいうと
「空前絶後のォォ 超絶怒涛のォォ」

ご当代 樂吉左衞門さんの 言うところの
「私が生きている間に 二度とこれほどの規模の展覧会は開催できない」

大展覧会 です。


京都の大雪を心配しつつも、うまく時間がつくれたので 昨日行って参りました。

(ブログで展覧会のことを書く際は、「感想」だけでなく 一応 「紹介」という側面も意識しますが)

京都会場が 間もなく閉催されようとする今 記事にすることに

毎度のことながら 少し後ろめたさに似た気持ちを 抱えながら…。

 
さて、

上記 空前絶後の超絶怒涛の 二度と開催が望めない

龍やら麒麟やら一角獣やら鵺やら鳳凰やら… が一同に集った 珍しい展覧会ですが、

究極的には、見どころは 「長次郎 と 吉左衞門 と 惣吉」 に尽きるのでは ないでしょうか?


(京都会場に関していうと、所蔵作品である「コレクション展」とうまくリンクされており、
 標題の《宇宙》というのも 見どころの一つでは ありました。)


もちろん 「樂家一子相伝の芸術」と副題されているように

歴代の作品が全て並んでいる ことや、本阿弥光悦の一級作が並んでいる ことや、

あの 春屋宗園・長谷川等伯の「千利休像」までもに お出まし頂いていること

等々も、空前絶後の 理由の一つではありましょうが。


やはりスゴいのは 「長次郎」と「当代 吉左衞門」の作品群、

そして惣吉… (「次期16代」と わざわざハッキリ肩書きされた)篤人さんの作品

です。


まず、長次郎に関していうと、

子供の頃に目にした ウルトラマンのめったに現れない兄弟が ずらり勢揃いした

希少な 数の迫力 がありました。

ずらり並んだ 著名なそれらの1点1点が、スーパースター独特の「力」を 放ちまくっている

のですから、圧巻 の一言です。

(東京会場は どうなのか 判りませんが)

展示方法も ふだん樂美術館1Fでされているより やや低く 置かれ、

茶溜まりまで 詳しく覗き込める器躰が多かったのも 素晴らしかったです。

(贅沢を二点言うと、1.重要文化財クラスの碗は、「大黒」のように 1碗1碗ケースに入れて、全方向から見たかった…
 2.黒楽と一列に並んだ 赤楽「白鷺」・「太郎坊」は、細部がはっきり見えるライティングで「も」、見たかった…)


つぎに、ご当代に関していうと、

なかなか 佐川美術館は時間的に行きづらい場所にあるので、これだけ纏まって見られるのが、まず嬉しいです。

この展のテーマが 「一子相伝」ということもあり、

またご当代の作は 詩的で観念的で、ご自身が「葛藤」という言葉を使っておられる通り

他の歴代の作以上に 編年的に鑑賞・対峙するのが 望ましい…と私は思うのですが、

(作年がキャプションされてはいますが) 展示順は 意図してそうはなっていないので

鑑賞者の頭の中で それらを並び替え、いわば 「葛藤」を擬似的に共有して 見る

のが面白いと思います。

フランスで焼かれた作品群も、この展の見どころの一つでしょう。


最後に、「次期16代」篤人さんに関していうと、

私は 長次郎・当代 吉左衛門・光悦・のんこう・宗入に次いで 覚入が好きなのですが、

覚入から当代に「一子相伝」された 樂焼の核のような美しさを、その作品に ひしひしと感じます。

正直 すでに好きです。

次期16代が これから どう「葛藤」されていくのか? 実に楽しみで仕方ありません。


こんなことを書くと 不敬だなんだとネットで話題になる 政情ですが、

天皇陛下もまさに同様かと 推察する次第ですが、

いわば 負わされた逃げられない宿命から どれだけヒトは自由になれるのか?

大切な そして あまりにも重いタスキを どういった形で次のランナーに繋げていくのか?

それが この展の 最大にして唯一の 見どころだと感じた次第です。

(京都会場では リンクする「コレクション展」で、樂茶碗のもつ「宇宙」性が よく表されていましたが、
 そんな会場においても、一画では、
 長次郎と当代の2碗を対峙させ その間の空間を 高谷史郎さんのビデオインスタレーションで繋ぐ
 という 「長次郎 VS 当代」 あるいは 「樂家の一子相伝の駅伝」 が垣間見えました。)


いつも展覧会のブログでは、自分の好きな作品と オススメの作品を書いていますが、

今回の 自分の好きな作品:展覧会 じたいに拍手

今回の オススメ:(黒樂「大黒」のような)「個人蔵」の作品群

ということにします。

当代が「二度とこれほどの規模の展覧会は…」とおっしゃるのは 大袈裟ではないでしょう。

「個人蔵」のものは 特に必見です。

京都展と東京展では 一部の内容が異なってなり、また 展示替え期間もあるようですが、

個人的には 赤樂「鵺」が見れなかった ことが残念…。

でもまぁ 龍やら麒麟やら一角獣やら鳳凰やらが 一同に会しているシーンを見れただけでも

良しとするか。


写真:同 コレクション展より (どちらも「好き」なもの そして「宇宙」を感じたもの)

(左):野村仁 「真空からの発生」
(右):アンニッキ・ホヴィサーリ 「方壺」
【鳥・鶴の禅語1590-1】 「松宿千年鶴」 
【鳥・鶴の禅語1590読み】 「まつはやどすせんねんのつる」
【鳥・鶴の禅語1591-1】 「鶴宿千年松」 
【鳥・鶴の禅語1591読み】 「つるはやどすせんねんのまつ」
【鳥・鶴の禅語1592-1】 「松静鶴留声」 
【鳥・鶴の禅語1592読み】 「まつしずかにしてかくせいをとどむ」
【鳥・鶴の禅語1593-1】 「松老白鶴飛」 
【鳥・鶴の禅語1593読み】 「まつおいてはくかくとぶ」
【鳥・鶴の禅語1594-1】 「松老伴鶴亀」 
【鳥・鶴の禅語1594読み】 「まつおいてかくきをともなう」
【鳥・鶴の禅語1595-1】 「千松鶴鳴遊」 
【鳥・鶴の禅語1595読み】 「せんしょうつるないてあそぶ」
【鳥・鶴の禅語1596-1】 「千年丹頂鶴 万年緑毛亀」 
【鳥・鶴の禅語1596読み】 「せんねんたんちょうのつる まんねんりょくもうのかめ」
【鳥・鶴の禅語1597-1】 「千歳丹頂鶴」 
【鳥・鶴の禅語1597読み】 「せんざいたんちょうのつる」
【鳥・鶴の禅語1598-1】 「丹頂千年鶴 緑毛万年亀」 
【鳥・鶴の禅語1598読み】 「たんちょうせんねんのつる りょくもうまんねんのかめ」
【鳥・鶴の禅語1599-1】 「千峰一鶴帰」 
【鳥・鶴の禅語1599読み】 「せんぽうにいっかくかえる」
【鳥・鶴の禅語1600-1】 「巣鶴万年松」 
【鳥・鶴の禅語1600読み】 「そうかくばんねんのまつ」
【鳥・鶴の禅語1601-1】 「白鶴宿老松」 
【鳥・鶴の禅語1601読み】 「はっかくろうしょうにやどる」
【鳥・鶴の禅語1602-1】 「白鶴舞丹宵」 
【鳥・鶴の禅語1602読み】 「はっかくたんしょうにまう」
【鳥・鶴の禅語1603-1】 「白鶴舞老松」 
【鳥・鶴の禅語1603読み】 「はっかくろうしょうにまう」
【鳥・鶴の禅語1604-1】 「鳧脛雖短続之則憂 鶴脛雖長断之則悲」 
【鳥・鶴の禅語1604読み】 「かものはぎはみじかしといえどもこれをつがばすなわちうれえん つるのはぎはながしといえどもこれをたたばすなわちかなしまん」
【鳥・鶴の禅語1605-1】 「抱琴看鶴来」 
【鳥・鶴の禅語1605読み】 「ことをかかえつるのくるをみる」
【鳥・鶴の禅語1606-1】 「抱琴看白鶴」 
【鳥・鶴の禅語1606読み】 「ことをだいてはっかくをみる」
【鳥・鶴の禅語1607-1】 「鳳離金網鶴抛籠」 
【鳥・鶴の禅語1607読み】 「ほうはきんもうをはなれつるはかごをなげうつ 」
【鳥・鶴の禅語1608-1】 「龍在潜淵鶴在巣」 (読みは夜にツイート予定)
【鳥・鶴の禅語1608読み】 「りゅうはせんえんにありつるはすにあり 」

掛軸/ 掛物・茶杓の ご希望の語句・銘を、ご希望の和尚様に書いて頂けます。
                       ↓
                    http://seiyudo.ocnk.net/news-detail/61