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: 「吸江斎・碌々斎ゆかりの茶道具」展 :

▼ 旧ブログ 記事:2009/06/08 13:10 からの転載 ▼



昨日は妻子をほおって、月に1度の 美術館ハシゴ の日でした。


まず、野村美術館「赤膚焼」展の、後期展にも行ってみました。

最終日にも関わらず、館内はさほど混んでおらず、
マイペースで見ることが出来ました。

赤膚の名品に見慣れたせいか? 前期に比して、
少し物足りなさを感じました。
前期が 赤膚の全てを包括するような内容だったのに、
後期は それを掘り下げる、ピンポイントの展示だったような気がします。

奥田木白は あいかわらずの名工ぶりでしたが、
前期に見た 溜息のでるような作行は、かげをひそめていました。
青木木兎は、前回と同一作だと思われる、赤楽のみでした。
木兎は、柳沢尭山公に「昼間は見れぬ」と評され、木兎(ミミズク)と号しましたが、
一方「郡山光悦」と当時呼ばれるほどの、巧者だったようです。


次は、楽美術館さんの恒例「楽歴代」展。
こちらは、いつもながらの盛況ぶりです。

長次郎の黒「面影」と併せて、私が好きだったのは、
ご当代が昨年12月に焼かれた、赤楽の新作です。
光悦の楽茶碗を想わせる形と、桃や無花果を連想させる 果物のような色あい…みずみずしさ…
ご当代のは、前衛的な焼貫のも大好きですが、
この赤は、器物の存在感を超越して なにか生命体であるかのような気がしました。

(写真2枚目は、佐々木昭楽さんの「面影 写」・5枚目は「鉢開 写」です。)
http://seiyudo.ocnk.net/product/907
http://seiyudo.ocnk.net/product-list?keyword=%E9%89%A2%E9%96%8B&Submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2


春には気づかなかったけれど、
楽さんの「のれん(本阿弥光悦:書)」が新調されてるようでした。
写真を撮ったものの(上:3枚目)
ヤツデと風に邪魔されてしまいました……
植物の繁茂する、夏であります。


最後は、表千家 北山会館さんの「吸江斎・碌々斎ゆかりの茶道具」展

運営協力金(入館料)1000円が安いと感じられるほど。
3時に入館したのですが、閉館までの1時間半、マイペースで見れたのは
3分の1ほどでした……
肝心の メインの 3階コーナーは、チラ見しかできぬ有り様……

私のお店で販売中の「桐小卓」や「溜 二重棚」「高杯」の本歌や、
「鉢開」「早船」といった、慶入の「長次郎 10種 写」を見ていたら、
館の方に「失礼ですが、閉館まであと15分ですが」と言われ
あわてふためく 始末。

十歳にみたずして 代を継がれた吸江斎の、
家元初期(幼少)の画や書が ほほえましくも、侘趣に満ちていて、
中でも 横物「大こん(大根)」は素晴らしかったです。

贅沢を申すなれば、吸江斎好「力囲希棗」と碌々斎好「既望棗」は、
蓋裏こそ 写真でなく 実物を拝見したかった所でございます。

もう一度 行ってみたいけど、スケジュール的に無理だろうな……

(「吸江斎・碌々斎」展は、6/21(日)までです。)