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: 並河靖之七宝記念館 : 記事をクリップするクリップ追加

▼ 旧ブログ 記事:2009/04/08 20:32 からの転載 ▼



京都の「みやこめっせ」で、京焼新作展という展示会があったので、
ついでに 美術館のはしごをして来ました。

(ちょうど京都大学の入学式が「めっせ」で併催されており、スゴい人出でした…)


地下鉄の 東山駅から「めっせ」までの、
白川ぞいの路地は、僕のお気に入りの道です。
いくつも掛かる小橋と、桜の樹。
「桜の時期はきれいだろうな…」と 京都に住んでいた頃からずっと想像してたら、
今回 満開の時期に巡りあいました。

並河記念館も、ずっと気になっていて、
なかなか縁が無かった場所。
桜満開の、白川のすぐ隣にあります。

並河靖之は、東京の涛川惣助と共に、「両 ナミカワ」と並び称された、
幕末・明治期の、七宝の名工です。

七宝でできた茶道具が、時々出てきますが、
なかなか ズバ抜けて面白いものは、そうありません。
やはり「眼」を鍛えるためには、名工の作をたくさん見ておくに限ります。

並河も、最初は商社(当時の例に洩れず、七宝も輸出が盛んだった)に、
「こんな出来では買い手が付かない」と言われ、
一念発起して、万博で受賞→帝室技芸員へ と腕を磨いたようです。

花器や小物入などの実物も素晴らしいのですが、
史料もなかなか勉強になります。
「七宝師一覧」という当時の資料に、
錦光山 ほか 京焼の著名な作家も名を連ねておりました。
(時代的に、京焼一本では、苦しかったのでしょうか)

場所がら、当館は、庭も7代小川治兵衛の作と、素晴らしいです。
(他の 治兵衛の庭より いいかもしれません…)

仕事を忘れた ひとときでした……

(その後、訪れた「野村美術館」に、「時代七宝唐草建水」が展示してあり、
新旧の七宝作品を、堪能できました。)