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: 近代茶人 と 少庵400年忌 :



半日 池田に、一日 京都に、行ってきました。

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●逸翁美術館

:秋季展 第二部 「茶の湯交遊録 小林一三と近代茶人たち」 展

:〜 12月15日(日)

http://www.hankyu-bunka.or.jp/sys/info/article/60


●表千家 北山会館

:特別展 「少庵四百年忌 千家二代 少庵ゆかりの茶道具展 -利休の継承とその時代-」 展

:〜 12月15日(日)

http://www.kitayamakaikan.jp/special/index.html


●茶道資料館

:秋季特別展 佐賀県立九州陶磁文化館所蔵名品展 「華やぎの九州陶磁」 展

:〜 12月8日(日)

http://www.urasenke.or.jp/textc/gallery/tenji/tenjinow/tenji.html


●表千家会館


●樂美術館

:秋期特別展 「利休・少庵・元伯/千家の時代 と長谷川等伯『松林架橋図襖』修復完成記念 特別展示」

:〜12月23日(祝)

http://www.raku-yaki.or.jp/museum/exhibition/index.html

*

「一三と近代茶人たち」 展は、

前回 耳庵との交友 のみに焦点が当てられていたのに比して、

(ほぼ 「全」近代数寄者 と呼んでも過言でなさそうな) 20名以上の近代茶人 の、ゆかりの品が、

それぞれ 逸翁との関係を解説しつつ 陳列されています。

一人1品 の場合もありますが、ここまで網羅的な展示は 珍しく、

逸翁の 交友の広さや人柄が 偲ばれます。

(香雪美術館の 村山香雪=玄庵が、阪急電車の敷設の際、自邸の脇に計画されたことを期に 仲違いし、その後 仲直りする……等々、それぞれとのエピソードが面白いです。)

香雪の俳句短冊 「(梅) 老樹にも」 の軸装が、表具に 梅に関する「新聞記事」を使っていて、

(岡本などの名所や 目を引くキーワードが、念入りにバランス良く散らしてあります。全てが朝日新聞の記事かどうか判りませんが)

逸翁らしいアイデアと遊び心が楽しいです。

(同じ発想の表装が、もう1幅ありましたが、この梅の方が、秀逸でした。)

益田鈍翁が 光悦七種の赤楽茶碗 「障子」 を、ミニチュアとして写した グイ呑も、とても面白かったです。


「少庵」 展は、

400年忌を記念し、裏千家との「連携展示」だったようで、

(会期が短く、裏千家茶道資料館の期間中に、結局 時間が作れなかったのが、悔やまれます)

印象としては、掛物 等、資料・史料として 価値の高いもの の展示が多かった 気がします。

もちろん 少庵好として 著名な工芸品も、多く陳列されていましたが…。

印象的だったのは、不審菴(模型)のお床の花入 「利休所持 鐔」 と、その添状です。

(鐔花入は、その大きさの 数倍にも感じられる存在感、名物ぶり を発揮しているのですが、添状では 利休は 道安に 「あまり高値なようだったら、わざわざ手に入れる程の価値はない」 と…。)
(そして それが結局は、利休所持として 後世 著名になっていることを鑑みると)

(利休・少庵・道安の関係も 想像させる このエピソードは、不審菴H.Pにも載っていました)
  http://www.omotesenke.jp/chanoyu/7_3_11a.html

2階の いつも立礼席の展示がある部屋に、お道具の「長持」 が展示され、

また 地階の、若宗匠と中村昌生・熊倉功夫 両先生の鼎談VTRも、面白いものでした。


「九州陶磁」 展は、

九州陶磁文化館 の「柴田コレクション」 より 多く出陳され、そして それらは、登録有形文化財の「工芸部門 第1号指定」 だそうです。

(登録文化財制度は、ちょうど私の学芸員課程 在学中に創設され、そして早速 卒業1年目に、登録された建築に関わることになったのですが、だからといって言う 訳ではありませんが、工芸にも広げられたことは意義深く、個人的には「世界遺産」うんぬんより価値のある 制度だと思います。)

茶陶が少なかった のが、少し残念でした。


樂美術館 は、

こちらも 少庵400年忌に ちなむもののようで、

(いつもは 歴代が並ぶ1階も ふくめ) 利休・少庵・宗旦 時代の、つまり 長次郎〜のんこう に絞った 展示となっています。

その分、長次郎や宗慶・尼焼〜のんこう までの名品の密度が濃いので、そこを突き詰めたり 比較したりして 見ることが出来ます。

(例えば、常慶の 井戸形茶碗は、「香炉釉」と「赤楽」が、横並びに両碗 展示されていたり…)

修復の叶った「松林架橋図」 は、やはり 襖絵ですので、襖が閉まった状態で見るのが相応しく、

その写真も見逃さないようにしたい所です。


「凡鳥棗」 と 「利休桐文棗 (庸軒箱書)」 の横並び比較 や、「夜桜棗 写 (5代 宗哲)」 の 北山会館の本歌との比較 も面白く、

「瀬戸雁口花入 (利休在判)」 は、とても素敵でした。(以前に ブログに書いてあるかもしれませんが…)

(宗旦「露地画賛 飛び石画“露地はさびたるもよし きれいなるもよし”」 は、湯木美術館の のんこう 赤 「是色」・「蕣画賛 (遠州・江月・昭乗)」・滴水美術館の「茶杓 (木下長嘯子)」 と並び 「欲しい!」と憧れさせれました)


表千家会館さんでも、見せて頂き、(秋にふさわしい十職作品が並んでいました。特に永楽さんの 渋めの作行が印象的)

いつもは 先を急ぐ 呈茶を、北山会館でも 茶道資料館でも しっかり頂いて、

すっかり 文化の秋 を堪能した一日半でした。


※茶の湯・茶道ランキング
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写真:【石橋静友堂 ねっと店】:(左上):白粉解棗 粒菊蒔絵  紹鴎好写  *岡本陽斎*
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  :(右上):茶碗 赤楽 「道成寺」  長次郎写 *佐々木昭楽*  鐘*巳年にも
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  :(左下):茶碗 赤楽 「障子」  光悦写 *佐々木昭楽* 
http://seiyudo.ocnk.net/product/875
  :(右下):夜桜棗  少庵好写  *浜田慎一郎*
http://seiyudo.ocnk.net/product/3978

▼追加▼
【茶道具】 唐銅花入 鍔  利休所持写  *鐔*ツバ
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