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: 村山コレクション受贈記念展「茶」ー茶の湯の工芸ー :



●村山コレクション受贈記念展「茶」ー茶の湯の工芸ー 展

:香雪美術館
:2021/11/13 ~ 2021/12/19

https://www.kosetsu-museum.or.jp/mikage/exhibition/pdf/2021_11.pdf


パンデミックが起こってから 展覧会に行くのは初めて、
また、
ヤフーブログがサービスを終え 展感を残す場があやふやなまま 今に至っているような気がして、
少し戸惑いながらも 筆を進める。

本展は、公式サイトによると

>香雪美術館は、総数1,600点以上に及ぶ村山家旧蔵の日本・東洋の古美術、刀剣、茶道具のコレクションを、故 村山美知子氏(1920- 2020)より一括寄贈されたことを記念した展覧会を開催してまいりました。
>受贈記念シリーズ最終となる今回第4弾では、茶の湯の道具として用いられる、陶磁器・漆器・木竹工・金工などの工芸作品約70点をご紹介します。

>香雪美術館(御影本館)は1973年の開館以来、所蔵品を軸としたコレクション展や企画展を開催してまいりましたが、施設設備の改築工事に伴い、本展の終了後12/20(月)から当面の間休館いたします。
>展覧会活動は、中之島香雪美術館(大阪市北区)において継続します。

とのことで、
近所にあるが故に足が遠のいていた のに、意を決しさせるに充分であった。


展覧会の内容は、
村山玄庵(香雪)の孫であり、美術館の前理事長 美知子氏より寄贈を受けた記念…
とは言うもの、初見ではない展示品が多く
(事前にpdfで見て、だからこそ行くべきか迷ったのだが)
実際に足を運んでみると、まったく茶道や茶道具に縁の無い人に 「茶道の道具とは こういうものですよ」
と解りやすく 解説・提示し、
その取り合わせが非常にバランスの取れた 面白いものだった。

例えば、まず入口から「掛物」の部があって、
掛けられているのが順に
「小禽遊戯図(明代)」「墨跡 偈頌(夢窓疎石)」「楼閣山水図(祥啓)」「高野切 第一種」「鶉切」「熊野懐紙」「藪内剣仲宛消息(古田織部)」

茶入と香合と蓋置は、
メジャーな王道ド真ん中を示しつつ 少し捻りを利かせたもの(それでいて癖の強すぎないもの)

茶碗は、
「瀬戸 伯庵天目」「のんこう 黒楽『黄山』」「玄悦御本 『筧』」「遊撃呉器 『蝉丸』
そして、香雪美術館を語るに外せない 「志野茶碗 『朝日影』」と、
それにまつわる掛物の 「荒川豊蔵 村山藤子宛書状」


久しぶりに、展を通して 心に響いた 順位をつけると…

3.「朱漆鶴文蒔絵中次 (大正期)」 ……中次とはいえ尻張な形と、工業デザイン的でもあり伝統文様的でもある鶴の見事さ
3.「宋胡録茶入 (アユタヤ王朝)」 ……宋胡録の王道のようでいて、細部のデザインが面白い
2.「栗棗 遠坂宗仙」 ……江戸〜明治期のもの1点と大正期のもの1点、栗の配置を反転させていて
1.「竹の絵 福田節庵」