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: 耕三寺博物館 / 大山祇神社:





妻と子と永らく前から約束していたので、体調がかなり芳しくなかったのですが、先日「しまなみ海道」に行って来ました。

サイクリングはとても出来る状態でなかったので、この機会を利用して、この機会を逃すと行き辛い、耕三寺博物館に私だけ行ってみました。



●耕三寺博物館

:「茶道美術展 踏青 -春の道具-」展
:「第69回 館蔵品展 耕三寺博物館の名品」展

http://www.kousanji.or.jp/museum_pickup/


こちらのお寺は、とにかく 成り立ちや諸堂建築が ユニークです。

詳しくは、上記 公式ページやウィキペディア等を ご参照頂きたい所ですが、

中国・四国地方の 茶道具を所蔵するミュージアムで、なかなか訪問が叶わなかった館であります。

(なにぶん 瀬戸内海の真ん中にある島に建っていますので…)

ひところ 毎月 西日本の各都市を出張していた時代がありましたが、海道の途中にある島に 降り立つことは遂にありませんでしたから。


さて、お寺は それ自体が博物館になっていて、境内の各堂塔に それぞれ違う特集の展示がなされています。

茶道具で申しますと、開山住職である 耕三寺耕三が 藪内流を修めたとのことで、

藪内竹陰 共筒茶杓 「腰みの」 や 藪内竹翠 共筒茶杓 「釣竿」 が在りました。

(耕三じしんは重工業で財をなした方ですが、やはり 島ということで 漁夫のイメージでしょうか)

高麗茶碗 など 寂びた道具に素敵な物が多かったのですが、1点挙げるとしたら、やはり 上記ポスターの

「染付 雲牡丹水指」です。

ただ、質量ともに、重文・重美クラスが てんこ盛りの「仏教美術」に較べると、茶道具の展示は少し寂しい気がしました。

(それだけ 仏教美術が充実していた という意味ですが…)

なにはともあれ、かような島に かような思いをもって かような寺が建てられ、それを目当てに多くの人が今も訪れている という事実は、

単純に 強く胸を打ちます。



●大山祇神社

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B1%B1%E7%A5%87%E7%A5%9E%E7%A4%BE


体調が絶不調で 実は耕三寺も足を引き摺るように拝観したのですが、

サイクリングを終えた妻が 子供にもたまには文化的なものに触れさせたい とのことで、こちらに行ってみました。

(子は私に似ず 体育会系で理系の兆候があるのです…)

以前ブログに書きましたが、私がこの道に入ったのも、子供の頃 歴史や日本美術に興味を持ったのも、

そもそもは源平時代の合戦や甲冑や武具馬具が 端緒でしたし、大山祇神社の宝物館は 当時の私の憧れの場所だった訳ですが、

体調が体調だけに 身も心も鎧を着たかのように重いまま…


さて、まずは 参詣から。

さすがに門から 素晴らしいです。たまに観光地で見かける ハリボテめいた擬古建築とは存在感が違います。

中におわす随神の彫刻も素敵。クスノキの巨木群が神々しい。


昨今 若い女性や男性の間で 日本刀がブームだと聞き及びますが、

宝物殿や国宝館は 意外な人の少なさでした。

(一般的な興味をひかれる戦国時代や江戸時代とは たしかに甲冑のデザイン性でいえば 地味ではありますが、少なくとも 刀は「圧巻!」で…)

幼少の頃の憧れの館ではあったのですが、引き摺り足の急ぎ足で、堪能は出来なかった次第です。

国宝館の 茶室にも似た薄暗さは、学芸員を夢見た幼少の初心を思い出させるに充分な、旧き佳き「博物館」の姿でした。


追記︰
帰りに8年ぶりくらいに尾道に寄ったが あまりの様変わりぶりがショックだった…

都市政策… 神戸も(京都も)ヒトのことは言えないが あんなんでいいのだろうか???

長所を自ら損なう愚かさ… いまだに