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: お道具イロハ 2:いろは歌 (利休忌) :

▼ 旧ブログ 記事:2009/03/05 20:19 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

決シテ 夜 一人デハ見ナイデ下サイ……
いろは歌の怪。

「お道具イロハ」ということで、今回は、いろは歌 自体を振り返ってみましょう。

いろは歌 とは、本当によく出来た歌で、
あまりの出来の良さから、かつては、弘法大師 空海の作だという通説が
信じられておりました。
(現在では、そうでないことが、ほぼ実証されています。)
全ての仮名を、過不足なく連ね、
その上で、仏教の「無常観」を織り込んであります。


色は匂へど  散りぬるを
我が世誰ぞ  常ならむ
有為の奥山  今日越えて
浅き夢見じ  酔ひもせず


さて。
皆様は、これを七五調でなく、
七音ずつに区切って読んだことが、おありでしょうか?
(私は、これを初めて知った時、本当にちょっとコワかったです……)

いろはにほへ と
ちりぬるをわ か
よたれそつね な
らむうゐのお く
やまけふこえ て
あさきゆめみ し
ゑひもせ   す


末尾の文字を続けて読むと
「とが なくて しす(咎無くて死す)」

つまり、無実の罪で政治的に謀殺された人物の、「無常観」だというのです。

(この他にも、5音の末尾だけを拾い上げて、別の暗号も隠されているという説もあります。)

7音や5音で区切り直すというやり方は、さほど不自然でもなく、
この暗号も いろは歌の完成度を高めている気さえ、いたします。

さて。
お茶の世界でも、様々な先人が、トガナクテ 命を落とさざるを得ませんでした。
利休居士、山上宗二、古田織部……

政情定まらない昨今ではありますが、命あっての物種……
先人のくさぐさの苦労や犠牲の上に、私たちがお茶を楽しめる環境があることに、
改めて思いを馳せたい 利休忌 であります。



●お道具イロハ●
ふだん何気なく やり過ごしている、お道具の基礎知識・豆知識を、もう一度ふり返るべく、
ワタクシ 石橋静友堂が、独断と偏見と早トチリで、一刀両断に解説しちゃうコーナーです。


(唐胴 利休坐像       :紙箱)
(青楽 三具足   :川崎和楽:桐箱)
(赤楽 供茶茶碗 揃:川崎和楽:桐箱)
(画賛 利休坐像  :前大徳 積応:桐箱)
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