: 令和5年 勅題 「友」 (お題・御題) :
昨年は 「新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大状況に鑑み」 3月まで延期された 「歌会始の儀」が、
昨年と同じく感染防止対策は徹底されつつも、旧来どおりの日程で催され、
来年2023年の 御題が、『友』 と発表されました。
:宮内庁:「詠進歌の詠進要領」
http://www.kunaicho.go.jp/event/eishin.html
ので、
毎年恒例の このネタ 記事でございます。
(明治2年に復興されて以降の「勅題 一覧」は コチラ ↓)
http://www.bansui.jp/diary-detail/27
*
毎年 本記事にて、9月頃に発表される お道具達がどんな風になるか、予想して楽しむ訳ですが、
(作家さん方の ご苦慮を偲ぶ訳ですが)
「友」は比較的イメージが広がり易く、しかも意外なことに、歴史上 一度も採用されていない 初出の御題のようです。
(明治期〜戦後すぐまで 80余年の熟語の御題時代も、一字も「友」は含まれていません。意外でしたが…)
(また、余談ですが、弊店にとっては 2014年 平成26年の「静」に続いて 屋号にまつわる題で、前回同様 こそばゆい思いが致します…)
宮内庁の発表によりますと、
お題は「友(とも)」ですが、歌に詠む場合は「友」の文字が詠み込まれていればよく、「友人」、「学友」、「友好」のような熟語にしても差し支えありません。…
とのことで、
ここで 毎年恒例の 名物道具の中から「友」を探してみたいと思います。
まず、れいによって 「大正名器鑑」を見てみますと、
https://www.bansui.jp/diary-detail/117?category=2
「友」の字をもつ名物茶道具は、
茶入の「大友瓢箪=上杉瓢箪」 1点のみで、意外にも茶碗には存在しませんでした。
また 「名物裂 一覧」
https://www.bansui.jp/page/kensaku?q=%E5%90%8D%E7%89%A9%E8%A3%82%E3%80%80%E4%B8%80%E8%A6%A7
にも、やはり
「友」の名をもつ名物裂が見いだせませんでした。
そして 「友」という語を含む「禅語」となると、
これはけっこうな数がありそうです。時間に余裕があれば、いずれ まとめてご紹介できれば… と考えている次第です。
千家十職の 土田「友」湖さんはともかく、抹茶やお香にも「友」が含まれる銘はございますし、「三友」「○○の友」…
「静」の時とは違って、わりと絵にしやすく、物語性に満ちた御題だと思うのですが…
*
それでは、いつも通り 本年のお題「窓」 の数首を紹介するとしまして…
今宵はこの辺で…
【御製】
世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ
【敬宮愛子さま】
英国の学び舎に立つ時迎へ開かれそむる世界への窓
【高円宮承子さま】
コロナ禍に換気もとめて閉ぢぬ窓エアコン眺めてしばし案ずる
【川坂浩代さん】
パソコンの小さき窓にそれぞれの日常ありて会は始まる
【伊藤奈々さん】
窓を拭く人現れてこの場所がほぼ空だつたことに気が付く
【難波來士さん】
窓の外見たつて答へはわからない少し心が自由になれる
写真:【石橋静友堂 ねっと店】 三友棚 松摺漆 *川瀬表完* 三千家好写* [595tan13141]
https://seiyudo.ocnk.net/product/6745
※干支・勅題の茶道具
https://seiyudo.ocnk.net/product-group/22
