: 令和3年 勅題 「実」 (お題・御題) :
つつがなく「歌会始の儀」 が催され、来年2021年の 御題が、『実』 と発表されました。
:宮内庁:「詠進歌の詠進要領」
http://www.kunaicho.go.jp/event/eishin.html
ので、
毎年恒例の このネタ 記事でございます。
(明治2年に復興されて以降の「勅題 一覧」は コチラ ↓)
http://www.bansui.jp/diary-detail/27
*
毎年 本記事にて、9月頃に発表される お道具達がどんな風になるか、予想して楽しむ訳ですが、
(作家さん方の ご苦慮を偲ぶ訳ですが)
「実」は文字通り 実用的な語で、語義が狭く、非常につくり辛い御題ではないでしょうか?
(平成24年の「岸」や平成15年の「町・街」と同じくらい…)
宮内庁の発表によりますと、
お題は「実(じつ)」ですが 「実」の文字が詠み込まれていればよく、
「実験」「果実」のような熟語にしても 「実る」のように訓読しても
差し支えありません。…
とのことで、
ここで 毎年恒例の 名物道具の中から「実」を探してみますと…
(ちなみに「実」の勅題は、明治2年以降、熟語も含めて 初出です。)
まず、れいによって 「大正名器鑑」を見てみますと、
https://www.bansui.jp/diary-detail/117?category=2
淡い期待はもろくも崩れ、「実」の字をもつ名物茶道具は、茶入にも茶碗にも 見つかりません…
そして、今回はついに 「名物裂 一覧」
https://www.bansui.jp/page/kensaku?q=%E5%90%8D%E7%89%A9%E8%A3%82%E3%80%80%E4%B8%80%E8%A6%A7
からも、
「実」の名をもつ名物裂が見いだせませんでした。
(ただ、果実文様の裂なら、写真の「山椒緞子」や「いちご裂錦」以外にも、かなりの数がございました…)
ということは、「実」は案外 広く、意外とつくり易いのでしょうか?
創る側 でないので、毎年 勝手なことを申す訳ですが。
*
本年も そろそろ饒舌は止して、本年のお題「望」 の数首を紹介するとしまして…
今宵はこの辺で…
【御製】
学舎(まなびや)にひびかふ子らの弾む声さやけくあれとひたすら望む
【皇后陛下】
災ひより立ち上がらむとする人に若きらの力希望もたらす
【高円宮妃久子さま】
サッカーに関はりたれば五輪への出場国をひた待ち望む
【選者:内藤明さん】
新しき靴履きて立つ街角にわが望郷の方位をさがす
【村上秀夫さん:山形県】
それぞれに月傾けて子どもらは墨くろぐろと「望」の字を書く
写真:【石橋静友堂 ねっと店】 古帛紗 山椒緞子 *土田友湖* [v101kbs049902]
https://seiyudo.ocnk.net/product/10394
写真:【石橋静友堂 ねっと店】 飾火箸 椎ノ実頭 [202hbh44475]
https://seiyudo.ocnk.net/product/1822
※干支・勅題の茶道具
https://seiyudo.ocnk.net/product-group/22
※「実」の茶道具
https://seiyudo.ocnk.net/product-list?keyword=%E5%AE%9F&Submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2